SATO
NOZOMI

フェンシング

佐藤希望
さとう・のぞみ
越前市国高小-武生三中-武生商高-日体大。大垣共立銀行所属。ロンドン五輪代表、リオデジャネイロ五輪8位。2018年福井国体は成年女子エペのエースとして福井を優勝に導いた。173センチ。1986年7月生まれ

格上を破りリオデジャネイロ五輪で日本女子エペ初の8位に輝いた2016年。次男を出産した17年。何とか調子を戻し福井国体で団体優勝を果たした18年…。

「もう十分頑張ったよねって、さすがに引退を考えた。でも…」
リオでは夫も長男も母も、現地に来られなかった。次は自国開催。「最後の試合を家族に見てもらいたい。あと一度だけ」。ママフェンサーは挑戦を決めた。

夫は単身赴任中。長男は実家に預け、2歳の次男と東京で暮らす。練習中はトレーニング場の託児所を活用し、家に帰れば育児が待つ。
「すんごく大変」だが、後に続く女性選手に道をつくるためにも「両立したい」

2度の出産を経て体力は落ちたが「そこは経験値でカバー」。時間を使って相手の出方を見定め、小手や足を狙う巧みな攻撃で勝機を探る。

アジア・オセアニア大陸では強豪の中国と韓国がおり、団体枠の自力獲得は厳しい状況だ。ただ、選考期間中の個人ポイントでは国内トップの位置におり、切符は十分狙える。

「息子たちが力をくれる。出し切って、笑顔で終わりたい」

県勢初の3大会連続出場へ-。強き母が偉業へ向かう。

文・宮崎翔央
写真・佐々木紀光ほか