小林化工の全製品出荷停止を受け、福井県内の病院や薬局も代替品確保の検討など対応に追われている=12月25日、福井県福井市内

 福井県あわら市のジェネリック医薬品(後発薬)メーカー小林化工が製造した錠剤に睡眠導入剤成分が混入し、全289製品の出荷を停止している影響で、福井県内を含め全国の病院や薬局は対応に追われ、代替品確保の動きも出ている。病院や薬局の担当者からは同社製品の品質や供給への不安が聞かれるほか、「患者のためにも安全確認を急いでほしい」とする声もある。

 小林化工は、混入や承認書にない工程があったとして自主回収を進める爪水虫などの治療薬3製品のほか、27日までに別の医薬品16製品の自主回収を始めた。他の製品も出荷再開のめどは立っていない。

 嶺北地域のある総合病院は、患者の治療のために品質が担保された医薬品の確保、供給を最優先に考えているとした上で「現在は出荷が停止された医薬品の代替品の確保や手配に奔走している」と説明。医薬品は受託製造のケースも多く、小林化工も別の製薬会社の委託を受けて生産していた製品がある。担当者は「情報公開が全く行われておらず、医療機関としては苦慮している」という。

 ある公立病院は本年度、同社の約10製品を採用した。現在は「継続的に安定供給される見込みが立たないため」他メーカーへの切り替え手続きを進めている。全国でも、国立病院機構(全国140病院)や大手民間病院「徳洲会グループ」(同71病院)が順次変更を進めている。

 薬局も対応に苦慮している。ある福井市内の薬局は「再開の見通しが立たない状況では切り替えるしかない」とこぼした。代替品の選定は、同じ成分の薬でも含まれる添加物が違う場合があり「非常にナーバスな問題」という。

 大規模な出荷停止で、他の後発薬メーカーの供給体制にしわ寄せが及ぶ可能性も指摘する。実際に新規の注文を受けない製薬会社も出てきている。卸売業者は「現場は相当混乱している」と漏らす。

 一方、代替品に切り替えず在庫で対応している薬局も。小林化工の製品を10種以上扱う福井市内の調剤薬局は、「薬の変更が患者に与える不安も小さくない」と判断した。同社とは開業以来10年以上の付き合い。「これ以上の不安を与えないためにも、全ての薬の安全確認を急いでほしい」と切望した。

 中には同社しか製造していない後発薬もある。在庫がなくなれば先発薬に切り替えるしかなく「患者の金銭的負担にも直結する。ジェネリックそのものが悪いという風潮になっており影響は大きい」とした。