福井県庁=福井市大手3丁目

 福井県は12月24日、介護施設の職員による高齢者への虐待が、2018年度に県内で3件3人(前年度比1件増1人減)あったと発表した。このうち心不全の持病があった80代男性1人が病院搬送から約1カ月後に死亡した。施設がある自治体は、施設長が男性が体調を崩した際に適切な対応を取らなかったとして「介護等放棄」の虐待と判断した。県長寿福祉課は「男性の死亡と虐待の因果関係は不明」としているが「(虐待に関しては)管理者(施設長)や職員の経験、知識が不足していた」との認識を示している。

 県によると、亡くなった男性は要介護3で、地域密着型通所介護施設に通所。18年5月上旬に施設に泊まった際、夜中に体調を崩した。見回りの夜勤者が気付き、施設長に電話で報告。施設長は男性の状態を確認したが、医療関係者や上司らに連絡せずに様子を見る判断をした。翌朝に出勤した上司が緊急搬送を指示し、男性は病院に入院し約1カ月後に死亡した。

 施設がある自治体は、虐待防止マニュアルの作成や職員への周知を徹底するよう指導した。

 そのほかの虐待は、養護老人ホームの施設職員が、車いすに乗った利用者に転落防止のベルトを装着した際に経過などを記録しなかった身体的虐待が1件。別の1件は、介護老人福祉施設の介護職員が、利用者がうろついた時に就寝の支援をしなかった介護等放棄だった。

 県内での家族ら養護者による高齢者虐待は18年度、相談・通報受理件数が284件(前年度比63件増)あり、国が調査を開始した06年度以降2番目に多かった。このうち虐待と判断されたのは146件151人(同42件43人増)で、女性は110人と被虐待者全体の72・8%を占めた。

 虐待種別は、身体的虐待が49・6%、心理的虐待が33・2%、介護等放棄は11・2%、生活に必要な金を渡さないなどの経済的虐待が5・6%だった。

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