大学入学共通テストと福井県の県立高校入試の英検加算を巡る経過表

 大学入試改革として2020年度に始まる大学入学共通テストで、英語の民間検定試験と、国語と数学の記述式問題導入が見送られることが立て続けに決まった。対象となるのは現在の高校2年生だ。福井県の高校2年生は、県立高校入試で初めて導入された英検取得級による加算制度を経験した学年。高校、大学と入試制度の変更に「翻弄」されてきた世代ともいえる。

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 この学年は2002年度生まれ。県立高校入試での英検加算の経緯を振り返ると、中学2年生の9月、県教委が英検3級以上取得者に英語の入試点数の加算を検討していると明らかにしたのが始まり。10月には3級に5点、準2級10点、2級15点を加算すると発表した。

 事態が動いたのは中学3年生になった6月。県議会から中学の学習範囲を超える2級や準2級への加点は経済的、地理的格差を拡大させるなどと公平性の観点で異論が上がった。

 8月になって県教委は英語での加点で上限を100点とする見直し案を公表し、8月18日に正式決定。高校入試本番まであと半年余りだった。この時点の取材で、急展開に閉口していた保護者の一人から「この学年は大学入試がセンター試験から共通テストに変わる。“受難”の学年だ」との声が聞かれた。

 この年の7月、大学入試についても大きな改革の発表があったからだ。文部科学省は大学入試センター試験に替わり、「大学入学共通テスト」を実施する方針を決定した。英語の民間検定試験導入と、国語と数学の一部で記述式を導入することが大きな柱だった。

 目の前の高校入試と将来の大学入試で新制度導入が決まった世代は、年が明けて3月、英検取得級によって加算される初めての県立高校入試に挑んだ。

 その英検加算入試も2年目は加点幅を一律5点に縮小し、加点する取得級と対象高校が見直された。さらに今年11月には3年目の実施を最後に廃止すると発表された。

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 大学入学共通テストの英語民間検定試験導入を巡り、大きな動きの引き金となったのは、高校2年生になった今年10月、萩生田光一文科相の「身の丈」発言だ。経済格差の問題が指摘されていた中での発言で、民間検定試験導入は見送りへと一気に進んだ。

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 さらに国語と数学の記述式問題も採点ミスの恐れや自己採点の難しさを解消するには至らず、見送りが決まった。

 2021年1月16、17両日に予定されている初めての大学共通テストまであと1年と1カ月のタイミングだった。

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