敦賀開業時福井県内に設けられる(右上から時計回り順に)芦原温泉、福井、南越(仮称)、敦賀の各駅舎の外観イメージ

 2023年春の北陸新幹線金沢―敦賀間の開業に向け、19年はさまざまな進展が見られた。福井(福井市)と芦原温泉(あわら市)、南越(仮称、越前市)、敦賀(敦賀市)の福井県内4駅舎の詳細設計が完了して外観と内装のデザインが固まり、工事の発注に入った。さらに敦賀―新大阪間のおおまかなルートも明らかになり、全線開業に向けても一歩前進した。

 4駅舎は、4月に外観と内装のデザインが公表された。外観は18年に決まったデザイン案から、色合いや窓の配置などを修正。内装は県産スギ材、越前和紙といった伝統工芸品を用い地元色を感じさせる工夫が施された。工事発注も進み、南越が7月、福井が11月に落札された。芦原温泉と敦賀は20年1月に入札を予定。建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構は「いずれも22年度中の完成を予定している」とした。

 トンネルや橋の土木工事では5月に、414メートルと県内最長の河川橋となる福井市の九頭竜川橋が一本につながった。12本あるトンネルのうち10本が貫通した。また敦賀開業と同時にJRから経営分離される並行在来線については、運営する第三セクター準備会社が8月に発足。20年春の社員採用も行われるなど、開業に向けた準備は着々と進む。

 一方で敦賀から新大阪までの整備に向けては鉄道・運輸機構が5月にルートの概要を公表し、着工認可の前段階となる環境影響評価(アセスメント)がスタートした。想定より公表が遅れたものの、「敦賀開業から切れ目ない23年春ごろの着工までにはアセスが完了するぎりぎりのタイミングだった」と県幹部は胸をなで下ろした。

 機運醸成の面でも、終着点となる大阪府や大阪商工会議所などが6月に早期開業に取り組む協議会を設立するなど徐々に盛り上がりを見せる。

 ただ約2兆1千億円とされる財源の見通しはいまだに立っていない。JRは財源の一つとなる新幹線の施設使用料(貸付料)について、上積みに前向きな姿勢を示しているものの、議論は煮詰まっていない。財源を検討する自民党のプロジェクトチームは年明けに中間取りまとめを行う予定で、まずはその内容が注目される。

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