【論説】北陸新幹線など整備新幹線の財源を巡る攻防が決着した。2020年度政府予算案で、注目された国費が本年度当初792億円から12億円増額され、804億円と決まった。国費増は2年連続で、敦賀―新大阪間の整備財源につながるものとして評価したい。

 新幹線の建設費を巡っては、建設中の金沢-敦賀間と九州新幹線長崎ルートで昨年、計3451億円の増加が判明した。理由は人件費の上昇や東日本大震災を踏まえた耐震性の強化、資材価格高騰。本年度は国費を18年度の755億円から37億円上積みするなどして乗り切った。

 しかし、金沢―敦賀間などの建設費が膨らんだ予算措置は、開業予定の22年度まで続く。敦賀開業を確実にするため、来年度以降3年間で手当てしなければならないのは519億円。この3分の1に当たる173億円の財源構成が、20年度予算案での財源攻防となった。

 JR西日本が貸付料の増額に反発していることもあり、今夏の概算要求で国土交通省は金額を示さない「事項要求」を盛り込んでいた。新たな国費の額や、十分な財政措置が取られるかが注目された。

 もともと新幹線は、国側が新幹線が通る高架橋などの施設を建設し、これをJR側に貸し付ける「上下分離」で整備される。財源の枠組みは、JRが国側に支払う線路使用料(貸付料)を充てた上で、残りを国と沿線自治体が2対1で負担する仕組みだ。

 貸付料が増えたり、ほかの財政措置が充てられたりすると自治体の地元追加負担分が軽減されるため、昨年から福井県などは国費や貸付料を最大限確保するよう求めている。国費増は敦賀以西整備のベース財源にもつながるとの見方があることから、国費も焦点になった。

 与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム(PT)は国費の可能な限りの増加を求め、財務省との折衝の結果、整備新幹線予算は800億円の大台に乗った。増額を勝ち取った意義は大きいといえる。

 国費の増額は、敦賀開業を確実にするとともに、未着工の敦賀―新大阪間の建設財源の確保に弾みがつく。今回のような国費の段階的な増額は、今後に期待が持てると言っていいだろう。

 東京から新大阪まで早くつないでこそ、福井が活性化し、国土軸として東海道新幹線の代替機能を果たすことができる。敦賀開業から切れ目なく新大阪までの建設に取りかかることが何より重要だ。与党PTに期待したいのは、2兆1千億円とされる建設財源の早期確保。戦略的に見通しを付けてもらいたい。

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