大学入学共通テストの国語と数学の記述式問題の導入見送りを、文部科学省が来週、正式決定することが12月11日、同省関係者への取材で分かった。50万人分の答案を短期間で採点する現行の実施方針の枠では、採点ミスなどの課題の抜本的解決が難しいことを、萩生田光一文科相が最終確認した上で表明する方向だ。

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 2020年度開始の共通テストを巡っては、英語民間検定試験の導入見送りが今年11月に決定。記述式も実施されなくなることで、大学入試改革の目玉とした施策が両方ともなくなる。

 文科省は20年度予算の概算要求で、共通テスト全体で事業費約50億円を計上。記述式の関連費用も含むことから、予算案が閣議決定される予定の今月20日の前に見送りを決定する考えだ。

 採点業務は通信教育大手ベネッセコーポレーションのグループ会社、学力評価研究機構が受注。学生アルバイトを含む8千~1万人が従事すると見込まれるが、全ての答案をミスなく採点する態勢の構築は難しいとの声が強まっていた。

 野党は英語民間検定試験だけでなく、記述式にも問題が多いとして国会で追及。与党内でも懸念が広がり、公明党は今月5日、萩生田氏に記述式問題の導入延期を要請した。自民党は6日、予定通りの導入が可能かどうか早急に判断するよう求める文科部会の決議文を萩生田氏に提出。高階恵美子部会長が記者団に、導入見送りの選択肢について「全く除外するものではない」と述べた。

 昨年11月実施のプレテストでは、国語で補正が必要になる採点ミスが0・3%確認された。また、自己採点と実際の評価が異なる割合が国語で最大33・4%に達した。

 萩生田氏は、こうした課題の解消を目指すとしてきたが、抜本的な解決策は示せなかった。6日の記者会見では「1年前に課題解消策が決まっていないと(受験生は)不安を感じると思う。年内には方針を固めたい」と述べていた。

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