塚原直樹代表(左)から機器の使用法などを学ぶあわら市職員=12月9日、福井県あわら市花乃杜1丁目

 福井県あわら市は、カラスによる農作物や景観、ふんなどの被害を防ぐため、カラスの鳴き声を利用して追い払う実証実験に乗り出す。本年度いっぱい、特に被害の多い地域で定期的に鳴き声を流し、効果を検証する。

 同市では昨年度、波松地区で収穫前のナシ3500個がカラスに食べられる被害があった。あわら温泉街につながる県道の電線にカラスが集まり、景観を壊すなどの被害も出ている。農家では、ナシ園に網を張って侵入を防いだり、市街地周辺でも捕獲おりを設置したりして対策を講じているものの、十分な効果は得られていないのが現状。

 鳴き声を使った追い払いは、全国でカラス対策を行っている企業「CrowLab(クロウラボ)」(栃木県宇都宮市)が開発。カラス同士のコミュニケーションを利用し、スピーカーからカラスをパニックにさせる鳴き声を数秒間再生して、その場所が危険だと認識させる仕組み。既に全国の複数の箇所で成果が出ているという。

 あわら市は、同市を含め一年を通して全国的に生息数の多いハシブトガラスとハシボソガラスの2種類のカラスの鳴き声を加工した音声データと、約1ヘクタールの範囲で追い払いが可能なスピーカー1台を借り受けた。今後、波松区や坂ノ下区など特に被害が多く出ている数カ所で流す予定。

 12月9日にはクロウラボの塚原直樹代表が同市を訪れ、市の担当職員に機器の使用法を説明した。また、塚原代表らによる研修会を同市中央公民館で開催。市の担当者や地域住民ら約20人が参加した。塚原代表は、音声機器の効果の説明のほか、田畑に農作物を放置しないといった対策をアドバイスした。

 市鳥獣害対策室は「単に追い払って、違う場所に居つくようになっても解決にならない。音声の効果を見極め、近隣市町や住民と一緒になって解決策を考えていきたい」としている。

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