福井の暮らしで感じる悩みや不満を30~40代女性が語り合った座談会=福井県福井市の福井新聞社

 「福井の男性はみんなまるで王様」「それは小さいころに植え付けられた“呪い”のせい」。福井県内で仕事や子育てに励む30~40代女性4人を招いた座談会で、本音トークが繰り広げられた。福井新聞と日立京大ラボの共同研究プロジェクト「ふくい×AI 未来の幸せアクションリサーチ」で、読者から寄せられた「福井人の不幸せ」の上位を占めた項目「母親の負担が大きすぎる」。座談会では、夫婦共働きでも家事や子育ては女性の仕事という不平等な前提を問題視し、子どもたちへの教育で世直しが必要との意見が出た。

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 ■田んぼの手伝い強制

 増田初美さん 働いていないお母さんは「なんで働かんの?」ってすごい言われる。専業主婦やってるのが悪いことみたいな感じ。近所の人にも「暇なんか」とか常に言われる。河本さんは県外なんですよね。

 河本多恵さん(仮名) 「働かないと」って空気はめちゃくちゃ感じました。3年前に福井に来たころ、平日に店員さんから「今日お休みですか」って声掛けられて、「あ、休みです」みたいな。これは働かないとまずいかなって思って、パートを始めた。

 霧島茉奈さん(仮名) 私は昔、3世代同居でしたけど、嫌でやめました。3世代同居が幸せって、誰が思ってるの? って感じ。

 若林みゆきさん 田舎は同居してもきつい。田んぼの手伝いを強制させられて、ゴールデンウイークもない。なんで出んのや、嫁でも出るのが当たり前っていう空気感がすごい。敷地内同居で、家と家をつなぐ通路を付けるか付けないかでもめるとかも聞く。

 増田さん 一つの家に女2人はいらないと思いません? 台所に立つのが2人いるとけんかするっていうか。仕事してる間はおばあちゃんに任せるとか、どっちかが引くっていうスタンスじゃないと。

 霧島さん 世代が上の人だと同居してることが幸せだったんですかね?

 若林さん 60代くらいの世代だと「同居してて幸せねぇ、あなたらは。助かるでしょ」って言われるけど、いやいや、ストレスの方が大きいでしょって思う。昔は子育ても仕事も同居しながら我慢してでもやってきた。でも今の若い子は、わざわざ我慢してまで頑張る必要はないよね。

 ■男はみんな「王様」

 増田さん 福井の男性ってすごいですよ。若いうちから結婚して家持つんですよ。小さいころから「この家、畑はお前のものになるんやぞ」って、母親から“呪い”を植え付けられていて、そのせいで「長男とはこうあるべきだ」って思って、いすに座れば(食事が)全部出てくるやろっていう態度になる。

 若林さん うちは昭和の昔ながらの家だったんで、弟は「何食べたい? あれ食べたい?」って大事にされてた。弟の奥さんには「うちのもんが甘やかして育てました」って、私が謝ってる。そんな感じで、福井の男性はみんな「王様」です。うちは子ども3人とも男なんで「絶対あんたらは全部自分のことは自分でしなさい」って育ててるよ。「女がやって当たり前」はもうないよって。世直し世代やと思う、今の母親たちは。

 増田さん そうしないと、まずモテないですよね。解決策は学校で教えてほしいですよね。(女性を)敬えとまでは言わないけれど。

 若林さん でも結局は、人によって違っていいと思う。離婚してもせんでもいいし、3歳まで育ててもいいし、同居がいい人もいる。「お母さんが笑っていればなんでもあり」って私は思う。

 河本さん 他人は他人と思えるような雰囲気って大事。

 霧島さん 日本全体がこうでなきゃいけないみたいなところはありますよね。こういう道が正しいっていう世の中じゃないのにね。

【座談会メンバー】

◇若林みゆきさん 結婚後に足つぼ療術院を起業。夫、年長~中学2年の3男との核家族。福井県鯖江市、41歳。

◇増田初美さん 福井県大野市出身で東京暮らしを経て帰郷。現在は夫婦問題カウンセラー。9年前に再婚。福井市、42歳。

◇霧島茉奈さん(仮名) 会社員。義父母との同居は解消。共働きで1男1女を育てる。福井市、36歳。

◇河本多恵さん(仮名) パート。県外出身で夫の転勤のため福井市在住。子どもは2男1女。43歳。

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