「多様な生き方への寛容」が高まる未来は?

 人と人が交わる喜びが、社会の多様性を育む力に―。福井新聞と日立京大ラボの共同研究プロジェクト「ふくい×AI 未来の幸せアクションリサーチ」では、AI(人工知能)のシミュレーションで2050年の福井の社会像を見通した。幸せの実感を高めるために重視されたのは「人のつながり」「助け合える関係性」「世代間の交流」。この「三つの交歓」が福井を多様性社会に導く鍵にもなりそうだ。

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 プロジェクトでは最初に、福井県在住・出身者から「幸せ」を募集し、住民の思いが反映された生の声を有識者のワークショップで検証した。福井の暮らしで感じる幸せを150項目にまとめ、そのうちの一つとして「多様な生き方への寛容」との項目が挙がっていた。

 150項目の幸せを指標に、AIで50年までのシミュレーションを繰り返すと、未来の福井の社会は六つのタイプがあり得るとの結果が出た。さらに「多様な生き方への寛容」の指標の変化を改めて調べてみると、向上するのは六つのうちで「つながりアクティブ社会」と名付けたタイプだけだった。

 「つながりアクティブ社会」は、人と人の結びつきが強まって、幸せが全体的に高まる未来を示している。その未来に進むためには、40年の分岐点までに「人のつながり」「助け合える関係性」「世代間の交流」の3項目の幸せを高めておくことが有効との分析結果が示されていた。

 つまり、今回の「不幸せ」分析で課題に掲げた多様性社会の実現に向けては、これら「三つの交歓」を高めるアクションが大切だと解釈できる。人と人が交わる喜びをかみしめ、それぞれが感じる幸せが認められるような地域の姿を見いだそう。AIと一緒に導き出した教訓が一つの道しるべになる。

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