毎晩、風呂上がりに綿棒で耳かきをしていて時々、綿棒の先に血がにじむことがあります。しかし、放置すると耳の中がガサガサするような感じがして、やめられません。適切な頻度や方法、何に気を付けたらいいのか教えてください。(福井県福井市、40代男性)

 【お答えします】木村幸弘・福井大学医学部耳鼻咽喉科頭頸部外科助教

 ■過剰な刺激で炎症に

 「毎晩」「血がにじむ」「耳がガサガサ」「やめられません」…。質問者は耳かきが過剰と考えられます。慢性外耳道炎という耳の皮膚炎になり、血がににじんだり、耳のガサガサ感が続いたりしているのでしょう。

 外耳道は耳の穴から鼓膜までを指し、手前側3分の1の軟骨部外耳道(柔らかく、耳かきしても痛くない範囲)と、奥側3分の2の骨部外耳道(硬く、耳かきで痛む範囲)とに分けられます。

 通常、耳あかは手前の軟骨部外耳道に存在し、皮膚や耳毛のゆっくりとしたベルトコンベヤーのような流れによって自然に耳の外に排せつされます。耳あかは古くなった皮膚に皮脂腺や耳垢腺(じこうせん)の分泌物が混ざった状態のもので、耳垢腺の分泌物の中には殺菌作用があり、また薄い外耳道皮膚を保護するなど良い役割もあるとされています。

 過剰な耳かきは、必要な耳の皮膚保護物質を除去してしまうだけでなく、外耳道の慢性刺激による外耳道炎などを引き起こします。頻度は非常に少ないですが、外耳道にできる悪性腫瘍、外耳道がんの誘因となるとも言われています。

 ■耳掃除は優しく、月2回で十分

 では、耳かきに最適な(1)頻度(2)使用する道具(3)方法-は何でしょうか。大事なことは「耳に優しく」です。

 (1)耳掃除はほどほどに。月2回もすれば十分です。私は自身も耳かきはしませんし、4歳と1歳の子どもの耳かきもしません。

 (2)使用する道具は綿棒、木製の耳かきの他、つまようじ(!)、ヘアピン(!!)、釘(くぎ)(!!!)など、いろんな方がおられますが、一番刺激の少ない綿棒が良いでしょう。

 (3)自宅で行う耳かきは、傷つけない、刺激しないことを第一に行うのが良いでしょう。

 方法は軟骨部外耳道のみ、つまり触って痛くない範囲のみを優しく手前にかき出す感じです。耳掃除の際は座って安定した状態で、周囲に人がいないことを確認しましょう。不意な衝撃で鼓膜を傷つける原因になります。

 自宅での耳かきが不安な方は耳鼻科受診をお勧めします。耳掃除目的に受診されることをためらう方もいますが、どうぞご心配なく。私は(恐らく他の耳鼻科医も)耳掃除大好きですから。

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