「上意下達の企業体質で、下から上にものを言う風土がなかったことも一因」と語る秋山喜久氏=大阪府大阪市の関西広域連合

 関西電力の役員らが、福井県高浜町元助役の森山栄治氏(故人)から計約3億2千万円相当の金品を受け取っていた問題が明らかになり、2カ月が過ぎた。関電の第三者委員会による“原発マネー”の究明が進む中、福井県職員の現職・OBら計109人も受領していたことが明らかになるなど余波は広がっている。関西電力の社長、会長を務めた秋山喜久氏に聞いた。

 ―森山氏との面識、金品受領は。

 「報道で初めて知った。森山氏については、なんとなく聞いたことがあるくらい。会ったことも金品を受け取ったこともない。利害関係者から金品をもらうことは絶対あってはならない」

⇒インタビュー連載「関電金品受領 私はこう見る」

 -関電役員の主張について。

 「森山氏にどう喝されたから金品を返せなかったと理屈を付けていたが、自分たちが被害者だという発想はおかしい。金品の返却の多くは金沢国税局の調査後で、大変みっともない。儀礼の範囲内であろうとなかろうと、最初に持って来たときにしっかり断らなければならない」

 「森山氏に限らず、すごんでくる人、しつこい人はいた。『トラックを家に突っ込ませる』などとどう喝されたと言っていたが、そんなのは常套句(じょうとうく)だった。いつから企業体質が緩んでしまったのか」

 -地域共生戦略に問題はなかったか。

 「いわゆる原発マネーと呼ばれる立地協力金は、迷惑料的な意味合いもあるが、道路など生活環境が整備され住民は便利になるし、道路は原子力事業の工事に不可欠。地域が発展し関電も発展するのが地域共生の理想。今回のように金品をもらうこととは、全く意味合いが違う」

 -何が問題だったのか。

 「関電には事業や方針を決めるのは経営陣、それに基づく工事を発注するのは資材課と、権限がしっかり分かれていた。しかし、原子力事業本部が美浜町に移転した2005年ごろから、経営側が工事発注に口を出し始めた可能性がある。森山氏がそれに気付いて役員に金品を渡し、便宜を図ってもらうようになったのでは。八木誠前会長が金品を授受した時期とも重なる」

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