福井の暮らしで幸せの実感を高めていくことを目指した福井新聞と日立京大ラボの共同研究プロジェクト「ふくい×AI 未来の幸せアクションリサーチ」。手掛かりを求め、福井で感じる「不幸せ」を募ったところ、読者の皆さんから多数の回答をいただきました。そして、「幸福度日本一」という名の看板の陰に隠れていたさまざまな不満や悩みが伝わってきました。

 「不幸せ」の回答はいくつかに分類できましたが、各項目の根っこには一つの共通要因があるように感じられました。それは、福井の社会が「多様な生き方に不寛容」であるという課題です。

 例えば、「母親の負担が大きすぎる」「自分らしく活躍できない」との不幸せはおそらく、性別や年齢による社会的役割の決め付けが原因と言えるでしょう。障害のある人や病気の人が社会の無理解を訴えた「互いの弱さに寄り添えない」の項目からは、異なる立場の人に対する心の敷居がうかがえました。「地域コミュニティーに閉塞感(へいそくかん)」との項目は、慣習や世間体に縛られてしまう考え方が関係していそうです。

 福井を多様性社会に―。福井の良さは踏まえながらも、一人一人が大切にしたい生き方が認められ、それぞれの価値観が尊重される社会をつくることができれば、幸せの実感が高まるのではないか。そんな思いを胸に、プロジェクト「幸せアクション」では、来週の紙面から新たな連載「多様性社会のトビラ」をスタートします。県内のさまざまな立場の皆さんとの対話を経ながら、未来への扉を開く各分野の試みを紹介し、課題解決の道筋を探ります。

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