高校生「竹田恒泰氏が好きだけど」【ゆるパブ】

 ミレニアル世代、Y世代、Z世代…。スマホやSNSを当たり前のように使いこなす世代が持つ新しい価値観やライフスタイルが世間の注目を集めている。筆者は41歳。大人になってからスマホが登場した世代としては、子どもの親としても、職場でいろんな世代と働く会社員としても、その世代間の考え方の違いを理解しておきたいところだ。さる11月18日、福井県小浜市の若狭高校で、同校OBの若新雄純・慶応大学特任准教授を交え、現役生徒や先生たちとトークイベントを開いた。友だちとの付き合い方や捉え方…。生徒たちの言葉は、今までぼんやりとしていたジェネレーションギャップを鮮明にさせた。

 冒頭、若新さんはこう切り出した。

 「今ってネットつながってるじゃん。ネットとかでスマホで記事読むでしょ。親でも先生に対してでも『それって古くない?』とか『おかしくない?』っていうことはどうしてるの?思うことあるじゃん。これは小浜でしか通用しない話じゃん、とか。僕らの時はなかったわけ。小浜の常識が世界の常識だったから。そういうのってどうしてるのかな、っていうのを最初聞きたかった」。

 若新さんが高校生の頃はインターネットがあまり普及しておらず、学校の視聴覚室のパソコンで見るぐらい。得られる知識は限られていた。当時と今とでは環境が変わった。インターネットによって閉じられた社会は世界とつながった。果たして今の高校生はどんなニュースに興味があり、どうメディアと向き合っているのか。

 口を開いたのは2年生の男子。「僕は竹田恒泰先生が話しているのを、結構YouTubeとかで見てるんですよ」。

 竹田恒泰氏についてざっくり説明すると、旧皇族の子孫という出自を持つ政治評論家で、主張は女系天皇への反対や旧宮家の皇籍復帰。その過激な言論はネットでしばしば注目を集める。男子生徒が続ける。

 「竹田先生を追っかけるようになって、朝生とか見たり。なんか男系天皇じゃないと皇位継承しちゃダメとか。それはいいじゃないか別にっていう人がいる中で、竹田さんは男系天皇じゃなきゃ絶対駄目っていう主張をされてて、僕けっこう竹田さんの考え方が好きで…やっぱり竹田先生ですね」。

 竹田氏のことを先生や友だちに言うかという問いには「しないですね」と即答。「それは僕だけで楽しむ」と、自分の気になることを共有することはないそうだ。

 高校生が竹田恒泰氏に関心を持つというのは少し意外だったが、みんながみんな、そうではないようだ。右か左かの議論に他の2年生男子は「あんまり興味ないですね(笑)」。ほかの生徒のうち何人かは竹田氏のことを知らなかった。そのやりとりの間も竹田氏が好きな彼はその魅力を力説せず、ひとり苦笑していた。

 自らの高校時代に照らし合わせれば、少し違いを感じた。筆者と彼の性格の違いというだけかもしれないが、私が高校生の頃は、気に入ったものはすぐ友達に薦めた。漫画やCD、スーファミのゲームソフト…。好きなものを共有することで、友達との関係が深まるような気がした。しかし、彼はそれをしない。

 その違いの中には今ならではの、友達関係の結び方の変化があった。

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 この記事は11月18日に福井県立若狭高校で開いたトークイベントの詳細をシリーズで紹介します。次回は12月13日に「福井新聞ONLINE」で掲載します。

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