公明党の斉藤幹事長(中央左)から記述式問題の導入見送りを求める要請書を受け取る萩生田文科相=12月5日午後、文科省

 大学入試センター試験の後継で2020年度開始の大学入学共通テストを巡り、政府は12月5日、国語と数学への記述式問題導入を見送る方向で最終調整に入った。与党幹部が明らかにした。約50万人の答案を短期間で公平に採点するのは不可能といった批判が相次ぎ、予定通りの実施は困難との見方が強まっていた。

 公明党の斉藤鉄夫幹事長は同日午後、萩生田光一文部科学相と省内で面会し、導入延期を要請。斉藤氏によると、萩生田氏は「重く受け止める。受験生のことを考えると1年前までに方向性が決まっていないのは不安だろうから、年内がリミットだ」と述べ、近く最終判断する考えを示したという。一方、文科省を通じて出したコメントでは、萩生田氏は「導入の延期を決定したり、検討したりしている事実はない」とした。

⇒早慶やMARCHなどの入試動向

 共通テストは11月、文科省が英語への民間検定試験導入の見送りを決めたばかり。記述式も見送りとなれば、大学入試改革の目玉とした施策が両方ともなくなる。

 自民党も5日午後、文部科学部会を開催。受験生らに不安が高まっているとし、安心して試験に臨める体制を早くつくるよう求める決議文を、文科省に提出すると決めた。
 共通テストは21年1月に初回が行われ、記述式は国語と数学1、数学1・Aでそれぞれ3問ずつ導入される予定。国語は最大80~120字程度を記述して段階別で評価し、数学は主に数式で答えて正誤で評価する。

 採点作業は、通信教育大手ベネッセコーポレーション(岡山市)のグループ会社の学力評価研究機構が受注。学生アルバイトを含む8千~1万人程度が20日間以内に約50万人分の答案を採点する計画。

 しかし、従来のマークシート式と違って多様な解答が予想される中、全ての採点者が同じ基準で採点するのは困難とみられている。受験生の自己採点も難しく、実力に応じた出願先を決められないとの指摘も出て、教育関係者や現役高校生、野党などから導入見送りを求める声が出ている。

 斉藤氏は萩生田氏への要請で、公明党文科部会のワーキングチームがまとめた提言を渡した。提言では(1)自己採点との一致率を高めるなど改善策を探る(2)受験生や保護者、国民に十分情報提供し、社会の理解を得ながら進める―ことを求めた。

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