「今回で絶対に合格する」と勉強に励む受験生たち=福井県福井市内

 大学入試センター試験は本年度で最後となり、2020年度から大学入学共通テストに刷新される。31年ぶりの大変革となるが、全国の傾向と同様、本年度の福井県内の受験生には新テストを避けるため確実に合格を取りに行こうとする“安全志向”が見られる。志望校のランクを下げたり、滑り止めの学校を増やしたり…。「今回で絶対に合格する」という受験生の思いは例年以上に強い。

⇒MARCHの入試動向

 羽水高校3年の男子生徒は、金沢大学に挑戦したい気持ちもあったが、夏ごろには富山大学経済学部に絞った。「浪人すれば大学受験の大部分を占めるテストが変わってしまう」と考え、現時点の学力で合格できる大学を選んだ。

 「後輩と違って僕らは新テストの対策をしていない。浪人すれば不利」と話すのは、名古屋大学を目指す藤島高校3年の男子生徒。滑り止めの大学を増やす予定で「センター試験のうちに絶対受かりたい」という思いは強い。

 一方、高志高校3年の女子生徒は、他の受験生が手堅い選択をするなら偏差値の高い学校ほど受験者が減ると見込み、自身の志望校のランクは下げないという。「強気でいく方が良いと信じている。先生からも、そう言われている」

⇒関関同立の入試動向

 福井市内の大手塾の担当者は「共通テストの情報を得れば得るほど、浪人は不利になるという思いが強くなる。特に中間層は影響を受けやすく、安全志向に走っている印象」と話す。

   ■  ■  ■

 大手予備校河合塾が2019年8月に行った第2回全統マーク模試(全国39万8054人受験)の分析によると、国公立大の前期日程の志望者は前年同期比97%で微減した。このうち東京や京都など難関10大学は最も落ち込み95%。筑波や千葉、横浜など準難関・地域拠点10大学は96%、その他は98%だった。少子化などの影響で全体の受験者は3%ほど減ったが、難関10大学はそれ以上に減少している。

⇒難関国立大学の入試動向

 一方、私立大学は102%に増加。早慶上理、MARCH、関関同立の13大学は97%と微減したが、その他は109%に増え「手堅く志望校を検討している傾向が非常に強い」(河合塾)という。

 同模試では、県内受験生に関しても例年とは異なる状況が見て取れる。福井大学と福井県立大学の志望者が前年とほぼ同数だったのに対し、金沢大学や「受験方式が変わり難しくなった」(同)富山大学は減少。私立は志望校の順位や志望者数が様変わりした。

 一方、推薦入試に関しても傾向が変わっており、県内の私立大学は、中間層の高校からの受験者が例年に比べ増えているという。福井工業大学は例年の約3割増しで、入試担当者は「ここまで極端に増えるのは近年なかった」と話す。

   ■  ■  ■

 浪人生は「今回で確実に合格したい」という思いがより強い。今春に県内の高校を卒業した浪人生(19)は当初、「もう少しで手が届きそう」な金沢大学を目指したが「現時点でも合格の可能性が高い」福井大学を受けるつもりだ。「神戸大学の志望者が金沢大学に流れてくるかもしれない。浪人自体が嫌だったのに、もう1年は絶対嫌。次で決める」と最後の追い込みをかける。

⇒国公立大学の入試動向概況

 東京学芸大学を目指す2浪中の男性(20)も福井市内の県大学進学サポートセンターに毎日通い机に向かう。高卒後に将来の夢を見つけ「浪人が無駄な時間だとは思わない」が、入試改革や不透明さに不安がある。「絶対に受かりたい。例年の浪人生と、気持ちの入り方は違うと思う」

関連記事