企業への便宜供与は「一切ない」と語る野瀬豊・高浜町長=12月2日、福井県高浜町役場

 福井県高浜町の野瀬豊町長は12月2日、町の事業を受注する県内のコンサルタント企業から金融機関より有利な条件で1500万円を借り入れていたと明らかにした。また町の資産公開条例で義務づけられた報告書への借金記載を昨年までの8年間していなかったことも認めた。企業への便宜供与は「一切ない」と否定した。

 同役場で報道陣の取材に応じた。

 同町長は、自身が経営する会社の業績悪化に伴い町長就任後の2011年3月、コンサルタント企業から運転資金や負債返済用に1500万円を金利0・5%で借り、16年3月に一括返済する契約を交わした。会社は赤字続きで、既に多額の借入金があり金融機関からの追加融資を受けられず、知人関係にあったコンサルタント企業の社長に相談したという。

 しかし、業績は改善せず返済が困難になり昨年、コンサルタント企業からの請求を受けて返済計画を協議。期限を21年12月末に延ばした上で、金利を6%にし同町長の不動産5筆を担保に加えたという。これまでに約437万円を返済し、遅延利息を含めた残りは約1356万円。

 県内の金融機関関係者は「事業資金用なら金利は2~4%が一般的。0・5%を切るのは一握りの超優良企業だけ」としている。

 野瀬町長は報告書に記載していなかった理由について「会社の借り入れとして認識していた」とし、個人の資産報告に載せる性質のものではないとの認識を示した。その上で「利害関係者からの借り入れなので、疑念を持たれるのは少し考えれば容易に想像つくこと。慎重に考えるべきだった」と述べた。自らの処分については「検討はしたい」とした。

 コンサルタント会社は10年以降、町から測量や設計など約100件の業務を受注している。社長は福井新聞社の取材に「金利を多くもらおうという認識はなかった。遅延金で対応してもらっているし、担保の追加もあった」とした上で「昔からの知人ということで貸した。見返りに便宜を図ってもらったことは一切ない」と述べた。

 野瀬町長は現在3期目。00年、町議補選に初当選し、08年に無投票で町長に初当選した。来春の町長選への4選出馬については「意欲はある」とした。

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