浸水した長野車両センター。北陸新幹線の車両は廃車となった=10月13日、長野市赤沼

 台風19号による被災のため本数を減らして運行している北陸新幹線の定期ダイヤは、JR各社が大規模なダイヤ改正をする来年3月14日に全面復旧する見通しとなった。水没した長野市の車両センターに、2編成分の列車を止める機能を回復させることで実現のめどが立った。定期検査の設備は復旧の見通しが立たず、大型連休や週末などに運行する臨時列車を含めた復旧までにはさらに時間がかかる。

 北陸新幹線は、上越新幹線から同型の「E7系」車両を転用したり、新造のE7系を北陸に優先して投入したりして、ダイヤの回復を進めている。現状のダイヤでは、センターが車両基地としての機能を失っているため、東京―長野間の「あさま」の本数が少なくなる影響が出ている。

 関係者によると、新幹線は2日に1度、ブレーキやパンタグラフの状態を目視で確認する「仕業検査」をする必要がある。長野のセンターでは屋外の線路に止めていた列車に加え、屋内設備に泥や水が入って車体の修理装置なども使えなくなり、検査が不可能になった。仕業検査は新潟市のセンターが代行している。

 列車を止める線路の復旧作業はダイヤ改正までに終える。JR東日本と西日本は浸水した北陸新幹線車両10編成をいずれも廃車にする方針で、年内にも解体作業に入る考え。車両を移動させ、レールや電気機器などの線路上の地上設備を点検、線路を復旧させることにしており、必要な工事や部品の調達を急ぐ。現在は長野止まりの列車をセンターに入れることができず、定期ダイヤが被災前の本数に戻らず、臨時列車の増発も難しくなっている。

 JR東の深沢祐二社長は11月6日、北陸新幹線の定期ダイヤについて「本年度末までに100%化を目指す」と表明。同30日以降、東京―金沢間直通の「かがやき」「はくたか」は定期ダイヤが回復したが、東京―長野間の「あさま」は定期の本数が元と比べ上下線とも2本減で、12月27日以降も1本減。臨時列車は車両不足のため、大幅に少なくなっている。

 浸水した車両10編成のうち2編成はJR西日本の「W7系」で、JR西もこの2編成を廃車し、今後2編成を新しく造る方針を示している。

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