【論説】古里福井の活性化に協力したいと、首都圏在住の県出身大学生でつくる二つのグループがPR活動に取り組んでいる。国内最大級の学園祭で福井名物を販売したり、県の物産展でスタッフを務めたりしている。そうした古里のために活動する学生たちを応援したい。

 大学の枠を超えた県出身学生のグループは北陸、近畿、東海地方では福井県以外にほとんどないという。その一つ「ほやって福井」は2017年、福井の知名度アップを目的に藤島高出身の約10人で発足した。

 毎年10万人以上が来場する東大駒場祭に「ソースカツ」の模擬店を出店。併せて福井の観光情報を紹介している。ツイッターやインスタグラムなどの会員制交流サイト(SNS)で、三国祭のにぎわい、県内のおしゃれなカフェといった情報も発信している。

 同団体のLINEグループのメンバーは現在79人を数え、イベントには毎回30人ほどが集まる。「藤島、高志高出身者だけでなく、広くメンバーを募るのが課題」だが、活動は順調だ。

 今年9月には、メンバーの中学時代の恩師から依頼を受け、丸岡南中を訪問した。修学旅行先の東京で福井のPR活動を計画する生徒たちとワークショップを行い、地域の魅力について考えた。修学旅行で生徒たちをサポートすることも検討中で、新たな取り組みにも意欲を見せている。

 もう一つのグループ「OCHOKIN(おちょきん)」は14年、県の呼び掛けで結成された。月1回のペースで定例会を開き、イベントの企画や準備に取り組んでいる。

 現在のメンバーは19人で、物産展やU・Iターン就職の相談会など県主催のイベントにスタッフとして参加する。県内企業や県出身の経済人との交流会を企画するなど、「福井とつながる」場づくりにも力を入れている。

 両グループとも「福井のために何かしたい」との思いは共通している。ただ、卒業後に福井で働きたいと考えている学生はそれほど多くはないようだ。

 「結婚、子育てを考えると福井は住みやすい。でも、帰省しての就職活動は大変だし、東京には魅力的な企業も多い」。ほやって福井の中心メンバーがこう指摘するが、多くの学生が同じように感じているのではないか。

 福井の活性化にはまず、古里のために活動する学生たちがUターンしたい街にしなければならないだろう。福井のPRだけでなく、魅力づくりにも力を借りたい。

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