1961年に建てられた校舎がある福井県福井市の明倫中学校。現在も安全対策工事が行われている

 福井市立小中学校の老朽化が深刻だ。築40年以上の校舎がある学校は52に上り、1960年代ごろに建てられた築60年近くの校舎もある。市教委によると、耐震補強工事などもありすべての学校が耐震基準を満たしている。ただ「本当に大丈夫なのか」と、保護者らの心理的不安は大きい。

 一部に板張りが残り古さを感じさせる教室や廊下の床。校舎は電気が付いていてもどこか薄暗い。校舎には外壁落下防止などの安全対策工事のために足場が組まれていた。

 市内中学校で最多の生徒751人が通う明倫中は、体育館を含めた校舎3棟のうち、普通教室がある北校舎の一部が1961年に建てられた。市教委は98年度から順次、耐震補強工事を行った。

 それでも、保護者からは安全性を不安視する声が漏れる。卒業生の男性(54)は「私が通っていたころと校舎はほとんど変わっていない。自分が学んだ校舎で、自分の子どもが勉強しているのはまさかという感じ。改修はしていると思うが、本当に安全面は大丈夫なのかと思ってしまう」と話す。

 ■ ■ ■

 市によると、今年3月末時点で休校を除く50小学校(小中併設校を含む)19中学校のうち、築50年以上の校舎があるのは30校あり、最も古い足羽一中は築59年。築40年以上も22校を数える。一方、2008年以降で移転新築されたのは至民中、安居中、中藤小。現在、新築の計画はなく、市教育総務課は「今後は各校の老朽化の現状を踏まえて、長寿命化に向けた大規模改修や建て替えを行っていきたい」とする。

 県教委は本年度から「次世代につなぐ美しい県立学校リノベーション事業」に着手。大規模改修により長寿命化を図り、学習環境の向上を目指す。

 本年度は嶺北特別支援学校と嶺南東特別支援学校の2校で劣化した壁や床の改修、照明のLED化や断熱材を増やすなどの省エネ化を進めている。県教委が率先して取り組むことで、同様の悩みを抱える市町教委のモデルになればとしている。

関連記事