大人のひきこもりについて講演する桝田智彦氏=11月30日、福井県福井市の県教育センター

 「反貧困キャラバン2019」(福井新聞社後援)が11月30日、福井県福井市の県教育センターで開かれた。「中高年のひきこもり」をテーマに基調講演した臨床心理士でSCSカウンセリング研究所(東京)副代表の桝田智彦氏は、「誰もがそうなる可能性がある。身近な問題として理解し、解決に向けて政治に関心を持ってほしい」と呼び掛けた。

 福井弁護士会や県司法書士会、県内労働団体などでつくる実行委員会が開き、約120人が参加した。

 桝田氏は、日本には中高年層(40~64歳)のひきこもりが約61万人おり、若年層(15~39歳)の約54万人より多いと説明。中高年層の場合、雇用などの社会的要因や親の介護などの環境要因がその理由になっているとし、「自己責任論で解決できる問題ではない」と強調した。

 また家族以外の社会的なつながりを示す指数が、日本は先進国で最下位として「日本人は世界で一番孤独な国民」と指摘。その上で、孤独とひきこもりの相関関係が強いことや、孤独死の4割が男女とも20~50代とする統計データを示し、「ひきこもりは孤独と死の問題でもあると理解してほしい」と力を込めた。

 解決策として、英国が昨年配置した孤独問題担当相のような内閣の仕組みや、ひきこもりを行政の地域包括支援の対象とすることなどを提言。生活保護などのセーフティーネットの強化も指摘した。

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