ラジオの生放送に臨む花華院姫子さん(右)とsplash浣子さん=福井県鯖江市本町2丁目のさばえ夢スタジオ

 性的少数者(LGBT)をテーマにしたラジオ番組が、福井県の丹南地区のコミュニティーFM「たんなんFM」で月1回、放送されている。パーソナリティーは福井県福井市でバーを経営するゲイの花華院姫子さん(51)=芸名=が担当し、自身の経験などを語る。姫子さんは「LGBTに対する理解が広がれば」と意気込んでいる。

 京都府京都市出身の姫子さんは、物心ついた頃から自身がゲイだと自覚した。20代前半から女装をしてショーを披露する「ドラァグクイーン」として活動し、20年前に来福。2009年に福井県福井市の繁華街・通称「片町」でバー「妖かし」を開いた。

 LGBTに関しては、公表する芸能人の活躍や企業の支援制度拡充、海外での同性婚容認など、理解は浸透しつつある。それでも差別や偏見はなくなっていないのが現状で、特に地方ほど、その傾向が強いとされる。

 姫子さんは「少しでも役に立てれば」と今年5月、たんなんFMを放送するNPO法人「たんなん夢レディオ」(鯖江市本町2丁目)に自ら売り込んだ。同法人は快諾し、9月から毎月第1水曜日の午前11時15分~同40分に新番組が始まった。

 生放送番組「花華院姫子の昼妖かし」は、姫子さんがリスナーの恋愛相談に乗ったり、LGBTに関するイベントを発信したりしている。11月6日の第3回放送は、ゲストに片町でLGBT専門バーを開くゲイのsplash(スプラッシュ)浣子さん(26)=芸名=を招き、トークを繰り広げた。

 この日、リスナーからは「結婚しない息子のことが心配」との相談があった。2人は「結婚しないからといって同性愛者とは限らない」と前置きした上で、自身が親にゲイであることを打ち明けた際の様子を語った。姫子さんは「育て方を間違ったとだけは思わないでほしい。子どもを思う気持ちを正直に話せば、相手も応えてくれるのでは」と呼び掛けた。

 放送を終え、浣子さんは「ゲイは男性が好きなだけで心が女性なわけではない。間違った理解によって苦しむ人がいる」と指摘。姫子さんは「まずは福井にもLGBTが一定数いることを知ってほしい。このラジオが多様性の尊重を考えるきっかけになれば」と話した。

 次回の放送は12月4日。

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