月1回の全校朝礼。児童約千人が体育館に集まる=福井県福井市森田小学校

 人口減と少子高齢化が進む福井県福井市の中で、森田地区は土地区画整理事業により新居を構える子育て世帯が増え、森田小学校の児童数は近く千人を超える見通しだ。現場の教員は災害時に児童を安全に避難できるか不安を抱く。地区自治会連合会などは現在の森田中学校を「第2森田小学校」とし、中学校の新設を求めている。

 「おはようございます」

 午前7時40分すぎ、黄色い帽子をかぶった児童が約20分の間に次々と登校する。児童玄関は大混雑だ。

 森田小の児童数は現在、978人と県内の小学校で最も多い。登校時に多くの児童が渡る横断歩道ではPTAなどによる見守り活動が行われているが、保護者は「交通事故が起きないか」と心配する。

 月1回、体育館で行われる朝礼は、混雑を避けるためクラスによって移動を始める時間をずらしている。それでも廊下や階段は体育館へ向かう児童であふれる。階段で1人転んでしまうと、ドミノ倒しの惨事になりかねない。
 「一番不安なのは児童の安全。児童数が多いとどうしても災害時の避難に時間がかかる」と谷口政則校長(58)は話す。

  ■  ■  ■

 森田地区の人口は増え続けている。地区北東部の土地区画整理事業で宅地の販売が始まった1999年度に約1万1100人だった人口は、20年で約3400人増えた。

 子育て世帯が多く、森田小に通う児童数も2009年度当初698人が、10年後の本年度当初は981人に膨れ上がった。本年度の新入生は187人で、1学年6クラスある小学校は市内では森田小だけ。かつて同校PTA会長を務めた男性(56)は「土地区画整理をすれば人口が増えて、子どもも増えるのは分かるはず。なぜ当初から対応をしなかったのか」と疑問を呈する。

 児童数増に対応するため16~18年に校舎と給食室の増築を行ったものの、同学年の全クラスの教室を同じ階にすることは難しく、一体感を損ないかねないという。谷口校長は「今後も1学年6クラスが続くと教室が不足し、学校運営に影響が出かねない」と話す。

⇒一方で在校生数十人の学校も…福井市の課題

 市学校教育課によると、児童数は23年に1099人、28年には1185人になると推計されている。

関連記事