容疑者らグループの構図

 警察官を装ってうその電話をかけ、キャッシュカードをすり替えて盗んだとして、福井県警捜査2課やあわら、大野両署、大阪府警など10府県警の合同捜査本部は11月28日までに、窃盗の疑いで特殊詐欺グループの中枢メンバーとみられる東京都東大和市、職業不詳の女(29)を逮捕した。合同捜査本部によると、女は現金回収のとりまとめ役で、福井県を含めた特殊詐欺で集めた金をグループの拠点地フィリピンに運んでいたとみて調べる。

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 10府県でのキャッシュカードすり替え被害は2019年1~10月で約600件、約8億4千万円に上っており、合同捜査本部は大半がこのグループの事件とみて捜査している。

 今年3月には福井県大野市の高齢女性2人がカードや現金を盗まれる被害に遭った。福井県警が逮捕した受け子1人、現金回収役2人を含めこれまでに少なくとも受け子34人、現金回収役9人が逮捕されている。

 グループでは、だまし取ったカードを使って現金自動預払機(ATM)から引き出した現金を、回収役がタクシーに乗って共謀の運転手に渡し、降りた直後に女がその車に乗り受け取っていたという。東京都板橋区の元タクシー運転手の男(53)も窃盗容疑で逮捕された。女は、数千万円集まる度に現金を持ってフィリピンに渡航。今年7回の渡航が確認されている。

 女の逮捕容疑は共謀して7月16日、警察官らになりすまして岐阜県の80代女性宅に電話し「口座が不正に使われている」「キャッシュカードを使えなくする必要がある」などとうそを言い、受け子役(19)が女性宅を訪問。キャッシュカード3枚を封筒に入れさせ、女性が目を離した隙に別の封筒とすり替えて盗んだ疑い。

 合同捜査本部は電話をかける「かけ子」などもフィリピンにいたとみて捜査している。

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