福井県立恐竜博物館の増築部候補地

 福井県立恐竜博物館(勝山市)の機能強化に向けた増改築について、杉本達治知事は11月28日、県議会本会議の提案理由説明で、現博物館修繕などを含めた概算事業費が93億9千万円となることを明らかにした。増築部の候補地4案のうち、最適と評価した正面玄関西側を念頭に試算した。「第2恐竜博物館」の構想時に想定した約125億円に比べ約31億円を圧縮しつつ、新しい収蔵庫や屋内で化石発掘体験ができるスペースなど必要な設備を整える。

 杉本知事は提案理由の中で「基本・実施設計の一括発注や、土地造成工事の前倒しで工期短縮を図る。世界に誇る恐竜化石の研究と情報発信の拠点として、未来に続く博物館にしていきたい」と強調。2023年春の北陸新幹線敦賀開業後を見据え、同年夏のリニューアルを目指す。

 計画では、増築は5700平方メートル、改築は1580平方メートルの計7280平方メートルを想定。整備する機能とそれぞれの整備費は▽新収蔵庫(千平方メートル)約11億円▽新特別展示室(千平方メートル)約11億円▽化石発掘などの研究体験スペース(400平方メートル)約6億円▽ショップ・レストラン拡充(700平方メートル)約6億円―などと見積もった。この結果、増改築自体に必要な経費は設計費も含め約73億円となった。

 事業全体ではこのほか増築部の土地造成に約6億円、老朽化に伴う現博物館の照明、空調などの修繕に約15億円が必要とした。

 増築部の候補地については4案のうち正面玄関西側が、正面玄関や搬入出用の通路を生かし、観覧導線の複数化などに対応できるとした。ほかの3案は、さらに大規模な改修や通路の再整備が必要になる課題があるという。

 県は既に県議会各会派にこうした方針を説明した。概算事業費について県議からは「まだ規模が大きい。適正かどうか判断したい」との声が上がった。一方で「機能強化は最後のチャンスになるかもしれない。もっと費やしてもいいのでは」と話す県議もおり、今後の議論に注目が集まる。

 恐竜博物館の機能強化を巡っては、西川一誠前知事が第2博物館の建設構想を表明したのに対し、県議会が反発して施設規模などの再検討を要請。4月に就任した杉本知事は構想を撤回し、増改築でリニューアルを図る方針に転換した。

関連記事