「卒FIT」商戦で、蓄電池販売に力を入れるK―PLANの山田社長(右)=福井県越前市家久町

 家庭の太陽光発電で余った電力の固定価格買い取り制度(FIT)の契約期間が11月から順次終了し、新たな売電先などの需要を狙った「卒FIT」商戦が福井県内でも本格化している。北陸電力や関西電力は買い取りプランを提案するほか新電力も参入している。一方で防災需要の高まりなどから、電気を蓄え自家消費する家庭のシフトを見込んだ蓄電池市場も活発になってきた。

 ■県内売電は9事業者

 家庭の太陽光発電の余剰電力を買い取るFITは2009年11月からスタートし、買い取り期間は契約時から10年間。当初の買い取り固定価格は1キロワット時当たり48円。NPO法人エコプランふくいによると、10年の契約期間が終了する県内件数は11月以降の本年度が約3200件、来年度以降も4年間は毎年900~1100件台で推移する見通しだ。

 買い取り期間終了後、県内の対象家庭が売電できる事業者は現在、北陸電、関電(美浜町以西)、新電力を含めて9事業者ある。対象家庭が契約終了後もそのままにしておくと、自動的に1キロワット時当たり8円で北陸電、関電が買い取る。

 北陸電は4月に新たな三つの買い取りプランを発表。中でも「あんしん年間定額プラン」は、発電設備の容量や過去1年間の余剰電力量の実績に応じ、年1万5千~3万5千円の定額で買い取る。「全国的に見ても例のない独自プラン」と担当者。コールセンターを開設した5月下旬以降、最適なプランを確認する問い合わせが多くあるという。

 関電は、余剰電力を預かり、電気が必要なときにお得に返す「貯(た)めトクサービス」を提案。また新電力では、大和ハウス工業やJXTGエネルギー、丸紅ソーラートレーディングなどが参入。それぞれ条件付きでお得なプランを用意している。

 ■「V2H」にも注目

 売電から自家消費にシフトする蓄電池にも関心が高まっている。「ホームセンターヤマキシ」8店舗を運営する山岸(本社あわら市、山岸良信社長)は、蓄電池6メーカーを中心に品ぞろえ。太陽光発電の設置住宅にダイレクトメールを送付し、販促に力を入れている。

 担当者は「今年は既に昨年1年間の3倍以上の売れ行き。FITが実際に切れてから蓄電池に関心を持つ人も多い。発電設備のメーカーや自宅での電気使用量なども踏まえて、客に合った蓄電池を提案している」と話す。

 太陽光発電システム販売のK―PLAN(本社越前市)も、ここ2年で急速に蓄電池販売が伸びた。容量6・5キロワット時の150万円前後の製品が主流という。山田勝也社長は蓄電池購入のメリットについて「電気を安く売るくらいなら、自家消費した方がいいとの考え方。蓄電池は電気料金を大きく下げる効果がある。自然災害や停電対応としても関心は高い」と強調する。

 さらに、電気自動車(EV)への充電や、EVから家庭用電源に給電する装置「V2H(ビークル・トゥ・ホーム)」も、EVの普及とともに注目を集めていると指摘した。

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