犯罪被害者支援条例の制定を求めるチラシを持ち、活動への意欲を語る川上弁護士(左)と宮地さん=福井県福井市内

 犯罪被害者や家族、遺族の生活支援に特化した県条例の制定を求めようと、福井県内の弁護士や遺族が11月24日までに、有志による会を立ち上げた。日常生活の支援や見舞金支給、住居の確保などを盛り込んだ犯罪被害者支援条例は各県で制定が進んでいる。メンバーは「心身不調や経済的困窮など被害は長期間続くため、行政による生活支援が必要」と話し、県民の理解を深めていきたい考えだ。

 「福井県に犯罪被害者等支援条例の制定を求める会」は、福井弁護士会で被害者支援に取り組む川上賢正、内上和博両弁護士、福井県議会議員の山浦光一郎弁護士と、「福井被害者支援センター」支援局長で交通事故遺族の宮地美貴子さんの4人で立ち上げた。

 会によると、犯罪被害者らの支援に特化した県単位の条例は、17道府県(2019年4月現在)が制定している。県内市町では越前市が唯一制定し、2012年から遺族見舞金30万円や傷害見舞金10万円、市営住宅の優先入居といった支援制度を設けている。

 会は、被害後に生じる問題として▽心身の不調▽外出や家事、子育て、仕事ができないなど日常生活上の困難▽事件内容について何度も聞かれるといった捜査・裁判に伴う負担▽休職や失業、医療費、訴訟費用による経済的困窮―などを例示。平穏な日常を取り戻すために遺族・傷害見舞金支給のほか、家事援助や就労準備、転居、家賃などの費用助成が必要と訴えている。

 会の代表に就任した川上弁護士は、犯罪被害に遭った子どもが学校に行けなくなったため、親が仕事を休んで世話をし、生活費に困った話を聞いた経験がある。「裁判が終わった後も被害者には長期支援が必要。行政には専門の職員を配置してほしい。県に条例ができれば、各市町にも波及するかもしれない」と期待を寄せる。

 宮地さんも精神的ショックで家事や介護、学業ができなくなったり、事件現場となった家から転居を余儀なくされたりした被害者らに多く接してきた。「誰でも突然被害者になる可能性がある。人ごとではなく、自分に関わる問題として考えてほしい」と訴える。

 条例制定を求めるチラシを300部作り、27日午前8時から福井県福井市のJR福井駅西口で配る。今後、被害者らの要望を詳しく調査する。他県の条例を調べる勉強会も開きながら、賛同者を増やしていく予定。

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