集会後に報道陣の質問を受ける横田拓也さん(左)と地村保志さん=11月24日、福井県敦賀市プラザ萬象

 「拉致・特定失踪者問題の早期解決を願う福井県集会」が11月24日、福井県敦賀市プラザ萬象で開かれ、北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさん=1977年失踪、当時(13)=の弟で拉致被害者家族連絡会事務局長の横田拓也さん(51)が講演した。「強い意志を持った姉」が自殺したとする北朝鮮の発表は根拠がないと訴え、「全拉致被害者の一括帰国を目指し、(一緒に)闘ってほしい」と来場者に呼び掛けた。

 支援団体「救う会福井」が開き、約500人が集まった。拓也さんが県内で講演するのは初めて。

 めぐみさんについて、拓也さんは「おしゃべり好きでいつも話題の中心にいた。ヒマワリや太陽のような明るいお姉さん」と振り返った。

 失踪当日、拓也さんは母・早紀江さんらと夜道でめぐみさんを捜したが、何の手掛かりもなかった。「母はテレビを見て、映った女性が姉に似ていると、テレビ局にロケ地を聞いて現地に行った」と話し、めぐみさんが拉致された後の家族の状況について「真っ暗闇。いつの間にか会話も減り、重苦しい雰囲気が漂っていた」と語った。

 近年の情勢について、2017年の国連総会で米国のトランプ大統領がめぐみさんについて言及したことに触れ「拉致が広く世界に認識されることになった。北朝鮮は今、逃げ場のない状況」と力を込めた。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に対しては「独裁者としてでなく、一国のリーダーとして、拉致を解決して明るい未来を描いてほしい」と訴えた。

 02年に帰国した福井県小浜市の拉致被害者、地村保志さん(64)も登壇。北朝鮮でのめぐみさんとの関わりについて、約8年間、鉄条網で覆われ兵士が監視する集落で共に過ごしたと明かした。地村さんは「北朝鮮が死亡したという年と、私たちが最後に見た年が合わない。彼女が亡くなったという話も聞いてない。彼女が北朝鮮にいるとすれば、まだ50代。今生きてると思う。元気なうちに取り戻してあげたい」と述べた。

 このほか、拉致の疑いが排除できない福井県内の特定失踪者家族、越前市の河合美智愛さん=84年失踪、当時(20)=の母、喜代子さん(78)と、敦賀市の山下貢さん=89年失踪、当時(39)=の妹、中原妙子さん(64)が拉致の早期解決を訴えた。

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