廃線となった福井鉄道南越線の岡本新駅跡を案内する武生工業高校の生徒(左3人)=11月23日、福井県越前市新在家町

 福井県立武生工業高校の生徒がまち歩きの案内役となり地域を紹介するイベント「ブラタケフ」が11月23日、福井県越前市内で開かれた。今回のテーマは1981年に廃線となった「福井鉄道南越線」。参加者は五つの駅跡地と周辺の名所を巡りながら高校生の説明を聞き、南越線に電車が走っていた当時の様子に思いをはせた。

 「ブラタケフ」は同校都市建築科都市工学コースの課題研究の一環。NHKの人気番組「ブラタモリ」をイメージし2017年に始まった。北陸新幹線の工事が着々と進む中、かつて活躍した南越線にも注目してもらおうとテーマを設定。ガイドを務める3年生3人は5月から資料集めなどを始め、何度も現地視察を行い準備してきた。

 生徒は主に市内から集まった15人を南越線の岡本新駅、粟田部駅、五分市駅、北府駅、福武口駅の跡地へ案内した。同市新在家町の和紙の里付近にある岡本新駅跡では、「この駅は通勤通学のほか和紙職人も利用しており、コウゾなどの和紙の材料も貨物で運ばれていた」と説明。南越線が越前和紙作りに一役買っていたことを知り、参加者は驚きの表情だった。

 現在は歩道橋として使われている日野川橋跡では「れんが製で昔の風情が感じられる橋脚に注目」などと紹介、橋を全員で渡った。五分市駅跡では近くの小丸城跡を散策、市民が手で掘ったという村国山のトンネルも探検した。

 参加した同市の60代女性は「楽しく地元のことを学べた。橋を渡ったのも、小丸城跡を訪れたのも初めてで、貴重な経験ができた」と満足した様子。案内した高校生らは「今日のためにたくさん準備してきた。喜んでもらえてうれしい」などと話していた。

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