【論説】福井県内を含め全国的に今や欠かせない社会インフラになっているのがコンビニだろう。国内には5万店超があり、飽和状態との指摘もある。一方で、深刻な人手不足で従業員の確保もままならないという。コンビニ業界は24時間営業が原則だが、事業モデルの転換は待ったなしといえる。

 経済産業省が今月発表したコンビニの加盟店オーナーや従業員のアンケートによると、週1日以下しか休めないと回答したオーナーの割合は全体の85%に上った。従業員も64%が人手不足を課題に挙げている。オーナーの中には「深夜勤務は当たり前で、休暇は27年間一度もない」と悲痛な声もあったという。

 オーナー、従業員が共に課題として挙げるのが24時間営業だ。「深夜営業は売り上げが低く、逆に人件費は高くなる」などとして時短を求める意見が多い。人手不足から24時間営業ができず、廃業に追い込まれる店舗もあるとされる。手間暇が掛かる「おでん」の販売を中止、縮小する動きも広がっているという。

 コンビニの本部も対応を余儀なくされている。最大手のセブン―イレブン・ジャパンはフランチャイズ加盟店の24時間営業の方針を見直し、一部店舗で時間短縮営業を始めている。8店舗でスタートした時短営業は来年1月にさらに増やすとしている。ファミリーマートやローソンでも時短営業が加速している。

 発端は、今年2月に大阪府東大阪市のセブン―イレブン加盟店のオーナーが人手不足を理由に、本部の反対を押し切って時短営業に踏み切ったこと。セブン―イレブンは24時間営業により業界首位を確立した成功の歴史があり、業界の中では最も時短に消極的だったといわれる。経産省が問題是正の行動計画の策定を要請するといった圧力もあり、事業モデルの変更を迫られた格好だ。

 問題は、加盟店が本部に支払うロイヤルティーに関して、セブン―イレブンが24時間営業の店舗を優遇するとした制度だ。時短営業を希望する加盟店にとっては逆風といえる。コンビニ業界は商品の製造や配送、陳列で24時間営業を前提にしている。そうした経営戦略を変えない以上、時短営業を選択したくても選択できない店舗が多く出てくるだろう。

 コンビニチェーンは本部と加盟店の共存共栄を理念としているはずだ。だが、本部社員が店舗のオーナー不在時を狙って商品を無断発注するといった事案が横行していることが判明するなど、本部の利益を優先する体質は依然、根強い。本部優先で加盟店が存続できなければ本末転倒だ。持続可能なコンビニ経営を構築する必要がある。

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