新属新種と判明した大型肉食恐竜シャムラプトルの実物化石=福井県勝山市の福井県立恐竜博物館

 福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)は11月22日、タイのナコーン・ラチャシーマ・ラジャバット大付属珪化木(けいかぼく)鉱物資源東北調査研究所(通称・コラート化石博物館)とタイで行った共同発掘調査で、2007~13年に見つけた恐竜化石が大型肉食恐竜カルカロドントサウルス類の新属新種と判明したと発表した。名前が付いている同類の中で最も原始的なものに当たる。学名は「シャムラプトル・スワティ」と命名された。

 両博物館と福井県立大恐竜学研究所(永平寺町)が、共同研究の成果としてまとめた学術論文が米国オンライン科学雑誌「PLOS ONE(プロス・ワン)」に掲載された。県立恐竜博物館の服部創紀研究職員が責任著者となり、東洋一特別館長らも著者に名を連ねた。

 発掘された化石は少なくとも4個体の頭骨の一部など22点。白亜紀前期(約1億2千万年前)のものでバンコクから北東に約300キロのナコーン・ラチャシーマ県の地層から見つかった。県立恐竜博物館での発表では、実物の化石4点と複製22点が報道陣に披露された。

 獣脚類で全長約8メートルと推定。骨格が分かれた状態だが、保存状態は良く、歯の縁にしわの形状があり、頸椎(けいつい)の横に二つに分かれた含気孔が発達した点などがカルカロドントサウルス類特有という。

 さらに▽頬骨(きょうこつ)の下の縁が真っすぐ▽下あごの骨の外側にくぼみがある―など、近縁種にない特徴が八つあることから新属新種と結論づけた。

 服部研究職員は「東南アジアで初めて確実なカルカロドントサウルス類が見つかった。既知(同類)のメンバーの中で最も原始的と言える。進化の歴史を知る上で極めて重要な発見」と説明した。

 属名はタイの旧名「シャム」に略奪者を意味する「ラプトル」を組み合わせ、種小名はコラート化石博物館の振興に注力したタイの元副首相の名前にした。化石の複製22点は、11月末から来年1月中旬まで県立恐竜博物館で展示される。

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