職員の処分を発表し謝罪する近松茂弘総務部長(右)ら=11月21日午後6時40分ごろ、福井県庁

 関西電力役員らへ金品を渡していた福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から、福井県幹部が贈答品を受け取っていた問題で、県の調査委員会は11月21日、結果を公表した。現職・OB合わせて109人が森山氏から金品などを受け取っており、中には純金小判と、商品券合わせて20万円相当を受け取っていた例もあった。一方で「森山氏に便宜を図った事案は確認されなかった」と、公共事業の発注などを含め行政運営への影響は否定した。

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 調査委は県の顧問弁護士3人で10月15日に発足。森山氏との接点が想定される健康福祉部や安全環境部、嶺南振興局などの部長・副部長級らで1998年度以降に在職した377人を対象に調査。亡くなっている人らを除き313人から面談や書面で回答を得た。

 金品の授受があったと回答したのは現職12人、OB97人の計109人。「中元・歳暮」が最も多く69人で、「あいさつ土産」28人、「就任祝い・餞別(せんべつ)」が18人などだった。

 このうち、現職1人を含む21人が、現金や商品券計122万円分を受け取っていた。最高20万円相当が2人おり、現職の50代男性職員は、健康福祉部の課長級職員だった2014年度、森山氏を訪問した際に10万円相当の純金小判と商品券10万円分を受け取った。返そうとしたが反発を受け、後日商品券分を中元・歳暮などで返礼。小判は現在も自宅で保管しているという。

 また05年度に安全環境部にいた職員も、就任時に現金と商品券をそれぞれ10万円ずつ受け取り、8万円相当の越前焼のつぼを返礼した。このほか、手土産のお菓子の下に2万円の商品券が入っていた例があった。

 県は現金や商品券を受け取っていた21人と、中元・歳暮を受け取って返礼しなかった7人、数千円分の懇親会費を負担してもらっていた1人の計29人を「儀礼の範囲を超える」と判断。小判を受け取っていた現職職員1人を21日付で戒告の懲戒処分とし、残る28人は既に退職していることから戒告相当、書面訓戒相当などとした。

 調査委は知事経験者について、栗田幸雄元知事が儀礼の範囲で中元・歳暮を受け取っていたとし、西川一誠前知事、杉本達治知事はともに金品の授受はなかったとした。また森山氏と関係の深かったとされる企業への公共事業発注についても、入札関係書類や工事台帳を調べるなどし「契約状況に問題は見られなかった」とした。調査委の藤井健夫委員長は県庁で会見し、再発防止策として、職員倫理規定の整備や、県職員の相談窓口を設けることを提案した。

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