ISSの日本実験棟「きぼう」(手前)から宇宙空間に打ち出される水推進エンジンを搭載した超小型人工衛星=11月20日午後6時25分、JAXAによる動画投稿サイトユーチューブのライブ映像

 福井県内の企業と福井県工業技術センター、東京大学が共同開発した超小型人工衛星2基が11月20日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出された。2基とも放出に成功し、今後本格的な運用に入る。県内企業が衛星のボディーの設計・製造や電子回路製造などを手掛け、宇宙空間に送り出された衛星は初めて。

⇒「福井の宇宙産業の第一歩」

 放出に成功した2基は、アフリカ中部ルワンダ向けに製造した衛星と、水を推進剤に使うエンジンを搭載した世界初の衛星。いずれも10センチ×10センチ×30センチ。県内企業はセーレン(福井市)、鯖江精機(越前町)、春江電子(坂井市)、山田技研(福井市)が開発に関わった。

 この日は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が衛星の放出を動画投稿サイトのユーチューブで実況中継。福井市の県工業技術センターでは会議室にスクリーンを設け、開発した企業関係者ら25人が放出を見守った。午後5時50分、1基目のルワンダ向けの衛星が放出されると「おおー」と歓声と拍手が湧いた。

 ルワンダ向けの衛星は、センサーで農作物の生育状況などを観測する。水を推進剤に使うエンジンを搭載した衛星は、衛星の長寿命化などに役立つと期待されており、運用で技術を実証する。

 2基の衛星は無人補給機「こうのとり」8号機に搭載されて9月25日、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Bロケットで打ち上げられた。こうのとりは同29日に高度約400キロにあるISSに到着、放出への準備作業が進められていた。

 県内企業が関わる人工衛星では、県や県内企業などによる県民衛星技術研究組合が開発を進めている県民衛星「すいせん」(60センチ×60センチ×80センチ)があり、2020年度上半期の打ち上げを予定している。

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