【越山若水】福井市の西武福井店新館が2021年2月末に閉鎖、本館のみの営業に集約されることが明らかにされたことを受け、市議会で議論が交わされている▼民間調査機関などによれば、地方の百貨店閉鎖は相次ぎ、今年だけでも約10店とリーマン・ショック以来の2ケタ台となる。今般の流通大手セブン&アイ・ホールディングスのリストラは22年度までに、西武福井店など2店の売り場面積カット、百貨店15店のうち5店を閉鎖。丸井も追従し、閉鎖は加速する勢いだ▼百貨店は地域の顔、街づくりの中核だけにつらい流れだ。調査機関は人口減少に伴う消費低迷を主な理由に挙げている。その上、消費者向け産業の撤退が進むと、日々の生活が不便となるため、都市部への人口流出も進む悪循環に陥り、今後も地方の百貨店は苦戦と何とも厳しい指摘▼とはいえ、真剣に受け止める必要がある。元総務相の増田寛也氏が「地方消滅」(中公新書)で警鐘を鳴らしたことは記憶にまだ新しい。タイトルを含め「消滅可能性都市」など、衝撃的な分析結果も多かったが、読み直してみた▼少子高齢化が同時進行し、人が減り、街が縮小していくことを政治、行政、住民が認識していくべきだとの言及は今もなお重く、示唆に富む。北陸新幹線の敦賀延伸に向け前向きな議論に加え、長期的な人口減少問題の再考も怠るわけにはいかない。

関連記事