刑事司法について高校生らが江川紹子さん(右から2人目)と意見を交わしたトークセッション=11月10日、福井県福井市のフェニックス・プラザ

 ジャーナリスト江川紹子さんを講師に招き刑事手続きについて考える市民集会「逮捕のあとどうなる? ちょっと知りたい刑事司法」は11月10日、福井県福井市のフェニックス・プラザで開かれた。江川さんは逮捕後の長期間の身体拘束の問題点を指摘し「冤罪が起きないような仕組みを考える必要がある」と強調した。

 福井弁護士会が不定期で開く市民向け啓発イベント。約100人が来場した。

 江川さんは「逮捕されたら『悪い人』?」のタイトルで話した。談合などの経済事件を引き合いに「逮捕後の身体拘束が数百日になるケースもある」と説明。取材した裁判を基に「長期間の身体拘束が当たり前になって、早く保釈されたければ認めるしかない。根負けして意に反する調書にサインすることになる」と冤罪が発生する背景や、無実の人が被る被害を生々しく話した。

 その上で、2019年4月の東京・池袋の母子死亡事故で社会的地位が高い容疑者が逮捕されなかったことに疑問の声が高まったことについて「『逮捕して罰せよ』となりがちだが、逮捕は証拠隠滅の恐れなど、捜査の必要があってなされる。処罰の先取りではない」と強調。社会の風潮に警鐘を鳴らした。

 講演後は模擬裁判の学習に取り組む女子高生や、福井新聞の司法担当記者を交えたトークセッションがあった。

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