スマートフォンで「NET119緊急通報システム」の実演を行う消防職員=11月9日、福井県福井市消防局

NET119緊急通報システムの仕組み

 聴覚や言語機能に障害がある人がスマートフォンや携帯電話の画面から、音声を使わず119番通報できるシステムを運用している福井県の福井市消防局は11月9日、利用を促進するため報道機関向けのデモンストレーションを行った。このシステムは、来年度までに同県内の全消防で導入される予定。119番通報に多言語で対応するサービスの紹介もあり、多様な通報方式を活用してもらうことで、迅速な災害対応につなげたい考え。

 「NET119緊急通報システム」は、住所や氏名などの事前登録が必要で、端末の画面で「救急」「火事」や現在地といった通報に関する項目を選び、消防局につながった後、チャットでやりとりして詳細な状況を伝える仕組み。福井市消防局は昨年4月に導入。11月8日現在で109人が登録しているが、実際の利用はまだないという。

 この日市消防局で行われたデモでは、スマホからの通報を受けた消防職員がチャットで状況を確認。「急病ですか? けがですか?」「どこがつらいですか?」といった定型文を使い、通報者から素早く情報を聞き出していた。

 一方、多言語通訳サービスは日本語が話せない外国人からの119番通報に対応するもので、通報があった際、民間のコールセンターの通訳を交えた三者同時通話を行う。市消防局は昨年4月に導入し、英語や中国語、ベトナム語など14言語に対応している。通報の実績はないが、現場到着後に通訳が必要になって活用した例が6件あった。

 デモでは、ショッピングセンター駐車場から激しい腹痛を訴える男性からの通報を想定。周辺に見える建物や、乗っている車の情報を、通訳を通じて聞き出した。

 市消防局管制課の林祐基消防司令は二つの通報方式に関して「言葉が出にくい方、外国の方にも福井で安心して暮らしてもらえるようにしたい」と話していた。

 「NET119―」の事前登録などの問い合わせは、市消防局管制課=電話0776(20)3999。「NET119―」は県内ではほかに、鯖江・丹生消防組合でも運用している。

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