「ジュラカ」など非接触ICカードを使って行われた鉄道乗車の実証実験=11月8日、福井県福井市今市町の福井鉄道清明駅

 電子マネーカード「JURACA(ジュラカ)」など非接触ICカードで鉄道運賃の支払いができるシステムの開発を目指す実証実験が11月8日、福井県福井市の福井鉄道福井城址大名町駅―清明駅間で始まった。参加者は実験用に登録したICカードを簡易改札機にかざし、運賃が計算されるまでの時間を体感するなどして使用感を確かめた。

 鉄道運賃のキャッシュレス決済は、JR東日本のSuica(スイカ)やJR西日本のICOCA(イコカ)などが普及している。ただ都市部のラッシュ時の高速処理にも対応できるシステムのため、地方の鉄道事業者にとっては維持費負担が重いことが課題。利用者も、交通乗車用にICカードを作る必要があった。

 今回のシステムはスイカなどと異なり、ICカード固有の情報をクラウドサーバーに送り、乗り降りした駅の記録や運賃計算などを行うのが特長。これにより、既に3万枚以上が発行されているジュラカや、他の幅広いICカードなどを鉄道の乗車券や定期券として使えるようにする。東芝インフラシステムズ(神奈川県)が開発している。

 今回の実験は、ジュラカを運営する福井銀行と福井新聞社が計画。両駅に簡易改札機を置き、実際の決済は行わないものの、その前段階となる乗車駅・降車駅の記録や、運賃計算などの動作を20日まで確かめる。

 清明駅には駅への入出場が試験できるよう、入場機と出場機を1台ずつ設置した。初日は3社の社員ら約30人が体験した。ジュラカを入場機にタッチすると、瞬時に液晶画面に「ありがとうございます」と表示。出場機では「ただいま処理中です」の表示が出た後、「引去額180円」などと表示された。ラッシュ時を想定し、10人程度が連続して入出場することなども試行した。今後、実際の朝のラッシュ時間帯での使用感も確認する。

 福井銀行営業企画グループの澤田祥人グループマネージャーは「ジュラカは構想時から、地域の電車やバスで使えるようにして県民生活に密着したカードとなるよう、検討を続けてきた」と説明。今後の展開については「今回のシステムはジュラカだけでなく、さまざまなICカードで鉄道が利用できる。実験結果を踏まえ、キャッシュレス社会に対する公共交通機関の在り方を検討したい」とした。

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