濱頭優さん

 ファッション誌のモデルに憧れ、12歳で芸能界に飛び込んだ福井県敦賀市出身の濱頭優(はまがしら・ゆう)さん(21)は芸能活動を一時休止した後、アイドルグループのリーダーとして奮闘し始めた。何度も心折れそうになりながらも再起できたのは、短期留学先で自分と向き合い、新たな内面の変化に気付いたからだった。

 夢見た世界で順風満帆とはいかなかった。大手芸能事務所に入り、週末のたびに上京してレッスンとオーディションを受ける日々。しかし、ドラマや雑誌などの仕事は最初の3年間で100件近く落ち続けた。「どうすればいいのか」。結果も手応えもなく時間が過ぎていった。

 地元の高校に進学後、ようやく東京ローカルのテレビ番組への出演が決まった。収録で学校を休む日が増えたが、勉学と両立させトップクラスの成績をキープし続けた。

 高校2年生のとき、オーケストラとアイドルの融合をうたうグループ「RY’s(リィーズ)」が始動。歌って踊るフロントメンバーとして加入した。ソロ活動では演劇にも出演。大学進学を機に東京に居を移し、芸能活動に没頭できるようになりかけた。

 しかし、ほかのメンバーの脱退などでグループ活動は軌道に乗らず、モチベーションは下がり始めた。振り返れば、ずっと芸能と学業の二足のわらじだったことに気付いた。「普通の女の子として遊んだ思い出がない。人からどう見られるか、勝手にイメージをつくって自分でがんじがらめになっていた」

 大手事務所を辞め、短期留学プログラムで中国へ渡った。電車に19時間揺られて訪れた絶景の秘境も、シャワーを浴びるとトイレが水浸しになるホテルも、全てが新鮮だった。内向的だと思い込んでいたのに、初対面の人にも積極的に話しかける自分がいた。

 帰国後、事務所に所属しないフリーの立場でグループに合流。リーダーに指名され「メンバーもファンも温かく迎え入れてくれて、うれしかった」と振り返る。「チームのためになると思ったことは口に出す」と言い切れる今、目指すのは「芯のある女性」。年末のホール公演に向けて、仲間とレッスンに汗を流している。

 【はまがしら・ゆう】福井県敦賀市出身。中学1年のとき、原宿でスカウトされ大手芸能事務所入り。声優やドラマ、舞台の出演で経験を積んだ。2015年6月、フルートやピアノなどの楽器とアイドルを融合させたグループ「アイドルオーケストラRY’s」の初期メンバーに。18年からリーダーを務めている。

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