台風19号による記録的大雨で浸水した北陸新幹線車両10編成120両が全て廃車になることが11月6日、明らかになった。JR東日本の深沢祐二社長は記者会見で、10編成のうち同社所有のE7系8編成96両を「廃車とする」と明言。JR西も、同社所有のW7系2編成24両の「廃車に向けた手続きを進めている」と明らかにした。深沢社長は10月25日から東京―金沢間の全線直通運転を再開した北陸新幹線のダイヤについて「本年度末までに100%化を目指す」と述べた。東京―金沢間の直通は11月末に全面復旧させる。

 深沢社長は、車両浸水や約2週間にわたり不通区間が出たことに関し「責任を感じている。大変ご迷惑をお掛けし改めておわびする」と強調。「一日も早くダイヤを元通りにし、地域のための取り組みをするのが私の責任」と、続投の意向を示した。

 深沢社長は、浸水車両について床下機器などの内部まで水に漬かっているとして「一部の部品は再利用するが、安定性、安全性を考え、修理より新しく造るのが適切と判断した」と説明した。浸水被害の再発防止策としては、悪天候に伴う計画運休の際、車両の事前避難によるダイヤへの影響も丁寧に周知する考えを表明。車両基地のハード面の対策も検討する方針を示した。

 JR東によると、北陸新幹線は残った20編成に、上越新幹線に今春投入した北陸と同型のE7系3編成のうち予備の1編成と、新造の1編成を加えた計22編成で臨時ダイヤを組んでいる。

 北陸には11月末、新造のE7系1編成を追加。約1割減となっている東京―金沢間の直通ダイヤを完全復旧させる。来年3月末までにさらに新造の3編成が入り、計26編成で定期ダイヤを元に戻す。被災前は30編成あったため、車両不足の状況は変わらず、例年、年末年始や春の観光シーズンに増発する臨時列車の本数は「調整中」という。

 E7系への置き換えで、廃車になる予定だった上越新幹線の2階建てE4系に関し深沢社長は「延長も含め運用方法を詰めている」とした。

 JR東は、浸水した車両の帳簿価格を9月末時点で118億円だとしており、再利用できる部品を精査し今後損失を計上。JR西は2編成廃車の損失額は30億円と算出。2020年3月期連結決算で特別損失として計上の見通しとしている。

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