インスタに掲載した新栄商店街(福井県福井市)の裏路地の風景。無造作に置いてあるビール瓶ケースが「エモい」と2人は話す

 若者言葉の「エモい」をキーワードに、福井県内の女子学生2人が福井市のJR福井駅周辺で見つけた景色をインスタグラムに掲載している。懐かしい雰囲気が漂う喫茶店、れんがが積まれたような商店街の壁画アート、雨にぬれて街並みが映る駅西口広場のタイル―。エモい景色って何だろう? そう問われた2人はにっこり笑って答えた。「言語化できないのが福井の魅力なんですよ」

 エモいは、感情的・情緒的を意味する英語の「エモーショナル」が語源。心を揺り動かされる状態を指す。

 インスタでエモい景色を発信しているのは、福井大学3年の小林彩乃さん(20)と仁愛女子短期大学2年の田端桃子さん(20)。一般社団法人エキマエモールと福井新聞社などのプロジェクト「学生まちづくり班」のメンバーだ。7月に「エモサー」(エモいサークル)の名前でアカウントを開設。スマホを手に撮影して歩き、週2回ほど投稿している。

 「県外の大学に出ていった同世代に、もっと福井の良さを感じてもらいたい」。小林さんは5月に開かれた学生まちづくり班のプレ会議で「わたしは地元のことが好きで発信したいけれど、何がすてきかと言われると分からない」と、心のもやもやを口にした。言い表しにくい魅力を、どうにか表現できないか―。学生仲間らと話すうちにエモいが切り口として浮かび、田端さんと意気投合した。

 お気に入りは新栄商店街の裏路地を撮った1枚。道ばたにビール瓶のケースが無造作に積まれ、奥には北の庄通りが見える。「日常からちょっと離れた雰囲気が出てる」「進むと何かがありそうな感じがいい」。2人の間には、何がエモいかの共通認識がある。

 「エモサーを始めてから、福井のまちがとても新鮮に見えてきた。『福井は何もない』と言っている友だちに知ってもらいたくなった」と田端さん。今後は、景色のほかに店舗も取り上げ、福井駅周辺のエモいスポットを集めたマップ作りを考えている。

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