「永代供養墓は現代の墓の悩みに応えるもの」と語る上島住職=福井県鯖江市水落町2丁目の法華寺

 福井県鯖江市水落町2丁目の法華宗真門流「法華寺」は、寺が家族に代わって遺骨を管理する永代供養墓を建立した。宗教、宗派が異なる人も受け入れる点が特徴で、既に22人の納骨を終えた。高齢者や両親と離れて暮らす人らから問い合わせも相次いでおり、上島日祐住職(70)は「福井のような田舎でも、お墓に悩む人は多い。ここまでニーズがあるのは正直驚きで、時代の変化を感じる」と話している。

 少子高齢化や生き方の多様化などを背景に、永代供養墓は全国的に増えている。法華寺にも檀家(だんか)や近隣住民らから強い要望があり、昨年11月に境内に永代供養墓を建立し、今年3月に県の運営許可を得た。とわに安らかに眠ってほしいとの思いを込め「久遠の碑」と名付けた。

 正月や春秋の彼岸など年4回、合同供養を実施し、住職が一人一人の人生に思いをはせながら読経している。

 これまでに22人の納骨を終え、生前申し込みも13件ある。法華寺のホームページなどで広報したところ、市内外から問い合わせや見学の申し込みが寄せられているという。上島住職は「よく見かける雑草が生えた管理されていない墓が少なくなるのではないか」と期待を寄せる。

 東京のIT企業に勤める鯖江市出身の女性(48)は、昨年亡くなった父の遺骨を久遠の碑に納めた。兄も県外に出ていることから「墓を守る自信がなかった」と永代供養墓を探していた。見学に訪れ、住職らの人柄にも引かれて即決した。実家に近いことから「母親も喜び、自身の生前申し込みをしていた。安心した」と心情を明かす。

 同寺総代の男性(75)は、娘が3人とも嫁いだ。「墓のことで子どもに迷惑をかけたくない」といい、「同じような境遇の知人に永代供養墓を紹介すると、みんなほっとした表情を見せる」と話した。

 上島住職は「遺骨をどうするかは、誰もが避けられない問題。地域の寺として少しでも安心を届けられたら」としている。納骨は料金によって個別と合祀(ごうし)の2種類ある。

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