全麺協の素人そば打ち最高段位五段に認定された佐藤喜代子さん=福井県勝山市

 一般社団法人全麺協が10月に開催した素人そば打ち最高段位の第7回五段位認定会・本審査会で、福井県勝山市の主婦、佐藤喜代子さん(66)=ふくいそば打ち愛好会=が五段に認定された。県内では6年ぶり2人目で女性は初めて。「3度目の挑戦でやっと受かった。ほっとしたのと同時に身が引き締まる思い。おいしい勝山のそばを発信して地域に貢献したい」と喜びを口にした。

 認定会・本審査会は10月12、13日、神戸市立国民宿舎シーパル須磨であった。5月に講習会を受けた後、書類審査と小論文による1次審査、ソバの品種・栽培、歴史・文化などに関する8月の筆記試験を経て、本審査に残ったのは全国の57人。最終的に技能審査と意見発表で佐藤さんら28人が認定された。

 雁が原スキー場で働いていた佐藤さんは2007年、知り合いに誘われ、市内のそば打ち愛好会に入った。その2年ほど前に頸椎ヘルニアの手術を受け「リハビリのつもりで」と始めたが、そば打ちに魅力を感じ、寝る間も惜しんで練習。10年に初段、11年に二段、13年には三段を取得し「ワクワク感と達成感」を味わった。

 夫が自宅横にそば打ち専用の小屋「蕎麦香房(そばこうぼう)」を建て、さらに練習を重ねてきた佐藤さんは14年、四段に認定された。それでも「五段だけは別物。本当に難産だった」。最高段位に挑んだ17、18年はわずかに届かなかった。

 涙を流しながらも諦めずにそば打ちを続け、今回の技能審査は最初の登場で「自分のそばが打てた」。意見発表は最後で「2日間ずっとドキドキしていたけど、楽しむことができた」と振り返るほど心技体が充実していた。

 県内では13年に井敏朗さん(福井市)が認定を受けて以来の五段となり「一人では無理だった。家族や近所の人たち、指導者みんなに助けてもらった」と感謝。「最高段位の責任も感じる。そば打ちの楽しさを伝え、勝山の雪室そばなどを発信して地域のお役に立てたらもっとうれしい」と笑みを浮かべた。

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