福井労働局は10月23日、2018年度に、長時間労働が疑われる福井県内の264事業場に実施した監督指導の結果を発表した。労使協定(三六協定)で定めた限度時間を超えて働かせるなどの違法な時間外労働(残業)は45・1%の119事業場に上った。働き方改革関連法では、来春から罰則付きの残業時間の上限規制が中小企業にも拡大される中、依然として深刻な残業が続いている実態が明らかになった。

 同労働局が毎年調査している。労働者から長時間残業の相談や情報が寄せられた事業場を対象に調べた。

 264事業場のうち約8割の209事業場で賃金不払い残業、違法な時間外労働などなんらかの法令違反があった。

 最も多い違反が、時間外労働。特に健康障害が生じる恐れがあるといわれる「月80時間を超える時間外・休日労働」をしていたのが68事業場あり、中には月200時間を超えるものも2事業場あった。次に多かったのは、過重労働による健康障害防止措置が未実施の違反で35事業場(13・3%)、賃金不払い残業10事業場(3・8%)が続いた。

 監督指導を受けた事業場を企業規模別でみると、従業員99人以下が163事業場で全体の61%を占めた。業種別では▽建設業64(24・2%)▽運輸交通業58(22%)▽製造業46(17・4%)▽商業43(16・3%)―などとなった。

 違法まではいかないが、過重労働による健康障害防止措置が不十分だとして、184事業場に改善を指導した。このうち、時間外・休日労働を月80時間以内に削減するよう指導したのは105事業場だった。

 働き方改革関連法が今年4月から順次施行され、残業時間の上限規制が罰則付きで設けられた。大企業は今春から実施され、中小企業は来春から罰則が科される。福井労働局では「(調査母体が)毎年同じでないため比較が難しいが、中小規模の企業で違法残業が多くみられた。来春、残業規制が中小企業に適用されることを踏まえ、法令順守を徹底させたい」と話している。

 長時間労働是正に向け、11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的に監督指導を行う。

関連記事