マイボトルを持参し、コーヒーを注文する女性客(右)=福井県福井市文京3丁目の「美術館喫茶室ニホ」

 プラスチックごみによる環境汚染が世界的な課題となる中、福井県はプラスチックなど使い捨て容器に代わり水筒やタンブラーの利用を促す「マイボトル運動」を展開している。コンビニなど大手チェーン店に加え個人経営の喫茶店なども参加し、協力店は142店舗にまで増えた。割引を受けられる店もあり、県の担当者は「これを機にマイボトルを持ち歩いてほしい」と呼び掛けている。

 国内では年200億本のペットボトルが出荷されるが、その1割以上が川や海に捨てられ、世界全体では800万トン以上のプラごみが毎年、海洋に流出しているといわれる。福井市内でリサイクル業務を行う福井環境事業には月200トン以上のプラスチック製容器包装が集まり、約半分をプラスチック製品に再利用し残りは固形燃料になる。同社の担当者は「正しく分別されず道や川に捨てられると、再利用できない」と訴える。

 こうした状況を受け、福井県は8月下旬にマイボトル運動を開始。テークアウトの際、水筒やタンブラーの利用を推奨する店をホームページ上で協力店として紹介している。目印となるステッカーも作り、店内に貼ってもらっている。

 以前からマイボトル持参に割引サービスを行ってきたローソンやスターバックスコーヒーなど大手チェーン店のほか、県内の喫茶店15店舗も協力店として加盟。割引の動きも広がっているという。

 協力店の一つ、福井市の福井県立歴史博物館内にある「歴博茶房ときめぐる、カフヱー。」を昼休みに利用する女性(53)=福井市=はコーヒーを持ち帰る際にタンブラーを持参。「ボトルだと水温が保たれるから便利」と話す。

 しかし店主の後藤ひろみさん(50)によると、マイボトルを持参するのはテークアウト利用者の中でごくわずか。「福井は遠慮する人が多いから、『ボトルに入れて下さい』と言うことが恥ずかしいのかも。この取り組みで、持ち帰りたいと言いやすい環境になるといい」と期待する。

 福井市の福井県立美術館内にある協力店「美術館喫茶室ニホ」では、プラスチック製の代わりに県産六条大麦を使ったストローを店内提供用に使い、販売もしている。店主のおかもときょうみさんは「少しでもエコに貢献できたら」とし、ボトルで頼んでくれるお客さんには「気持ち多めに入れることも」と笑顔を見せる。

 県は10月24日まで、タンブラーや水筒を販売するショッピングセンターなど県内30カ所でマイボトル運動の専用コーナーを設置。また、引き続き協力店を募っている。問い合わせ、申し込みは福井県循環社会推進課=電話0776(20)0317。

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