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 『ブロークバック・マウンテン』『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』でアカデミー監督賞に2度輝き、『ウェディング・バンケット』と『いつか晴れた日に』でベルリン国際映画祭の金熊賞、『ブローク〜』『ラスト、コーション』でベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞…輝かしいキャリアを誇る名匠アン・リーには、もう一つ別の顔がある。それは、アクションに造詣が深いという顔。映画における“運動性”という意味ではなく、文字通りアクション映画のアクションである。

 初監督作『推手』の主人公は太極拳の使い手だったし、アカデミー外国語映画賞を受賞した『グリーン・デスティニー』は、ワイヤーアクションの巨匠キン・フーにオマージュを捧げた武侠映画だった。アメコミ映画『ハルク』でのユニークなアクション造形も記憶に残る。そんな彼の新作は、51歳と23歳のウィル・スミスが壮絶なバトルを繰り広げる近未来アクション映画だ。

 引退を決意した伝説的なスナイパーが、組織の秘密に触れて命を狙われる。その追っ手は、自身のクローンだった…。VFX技術で若返ったウィルももちろん見どころだが、それ以上に驚かされるのが、バイクチェイス。アクション映画がこれほどあふれていても、発想や工夫次第で新鮮な衝撃を生み出せること、アクション演出はまだ底を突いていないことを実証してみせる。その上、ヒロインの活躍を含めアクション全般でクオリティーが高いし、映画的な細部にも満ちている。相変わらずアン・リーは、娯楽性と作家性のバランスがうまい! ★★★★★

監督:アン・リー

出演:ウィル・スミス、メアリー・エリザベス・ウィンステッド

10月25日(金)から全国公開

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