洪水ハザードマップが掲載されている福井県福井市の防災ハンドブック。台風19号を受け、ハザードマップのダウンロードページへのアクセスが急増している=福井市役所

 台風19号により東日本の広い範囲で洪水被害があったことを受け、福井県内で洪水ハザードマップへの関心が高まっている。台風上陸以降、マップをダウンロードできる福井市のホームページ(HP)へのアクセス数は1日2千件近くに上り、接近前の40倍に達した。足羽川や日野川、竹田川が合流する九頭竜川下流域の坂井市でもアクセス数が急増し、洪水に関する防災講習会の参加者も増えている。

 洪水ハザードマップは、堤防決壊時の浸水の深さを色分けして示す。市役所や役場などで入手したり、自治体のHPからダウンロードしたりできる。

 福井市のダウンロードページへのアクセス数は、台風19号が小笠原諸島近海にあった10月9日は48件だったが、本州に近づくにつれ増加。本州に上陸し、県内に最接近した12日は1399件に上り、16日は1989件と接近前の40倍以上になった。

 坂井市でも「洪水・土砂ハザードマップ」のダウンロードページへのアクセス数が通常の30倍に急増。鯖江市でも、洪水ハザードマップなどをまとめた「災害時サポートガイドブック」のダウンロードページへのアクセス数が16日は460件に上り、平時の40倍となった。

 台風19号は東日本各地の河川堤防を決壊させ、広域的で大規模な洪水被害をもたらした。鯖江市防災危機管理課は「ハザードマップを活用して、避難を話し合っている家庭は多いのではないか」とみる。福井市は2018年度に全戸配布した防災ハンドブックに洪水ハザードマップを載せており、市河川課は「マップや防災ハンドブックが手元にない人は、ダウンロードするか取りに来てほしい」と呼び掛ける。

 九頭竜川河口に位置する坂井市新保区では16日夜、洪水・土砂災害に関する防災研修会が開かれ、高齢者を中心に52人が参加した。新保地区区長会長によると、これまでの防災研修会の参加者は多くて30人ほどだったといい、関心の高まりがうかがえる。

 坂井市は6月、民間企業と開発した防災アプリのサービスを開始。災害時の防災情報や避難施設の地図などを見ることができ、4カ月で千人余りの市民が登録した。防災行政メールの登録者数も増えており、西日本豪雨が起きる前の昨年7月1日の3200件から今月1日には4300件まで増えている。

 大水害が毎年のように全国で起きている現状に対し、新保地区区長会長は「対岸の火事とは思わず、空振りになってもいいから備えていかないといけない。いざという時に“安全のスイッチ”を入れて行動できるよう、災害情報を持ち、訓練を重ねていく必要がある」と話した。

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