4月の統一地方選から半年という節目に、福井新聞社は福井県内の20、30代の若手地方議員5人による座談会を本社・プレス21で開きました。「1年生議員が感じた議会の雰囲気は?」「選挙に対する家族の反応は?」「周りの目って気になる?」―。慶応大大学院特任准教授の若新雄純さん(若狭町出身)をコーディネーターに、5人が県民に議会についてもっと関心を持ってほしいとの思いで、赤裸々に本音を語ってくれました。

 参加した議員は山浦光一郎・福井県議(1期目、38歳)、松崎雄城・福井県議(1期目、26歳)、中村綾菜・福井市議(3期目、35歳)、丸石純一・池田町議(1期目、32歳)、児玉千明・高浜町議(2期目、30歳)です。

年齢関係なく話せる特殊なところだと思う
若新雄純

福井県内でも若手議員が増えましたね。1番長く務めているのは?

中村市議

今3期目です。

若新雄純

福井市議会って平均年齢50歳くらいですか。年齢が全然違うところで働くのってストレスっていうか、普通の職場だったら持てる権限が年齢で全然違うじゃないですか。

中村市議

最初は「若い女の子が来たわ」って、ちやほやされました。20代の女性が何を考えているか、単純に先輩議員さんも興味があったんだと思います。ただ、それは政策の話。議会の中での駆け引きなんか始めると、なかなかうまくはいきません。

松崎県議

僕は議員になってから、表立って「若造が」ってことはないですよ。ずっとかわいがってもらって。

若新雄純

本心なんですかね。(一同笑)。みなさんの言葉を聞いて、10代の若者が政治家を志すかもしれないので、ぜひ本当のことを言ってください。

松崎県議

ちょっと閉鎖的かなというイメージは最初はありましたけど。でも案外、開放的というかフレンドリーな感じで接してくださいます。この職種の特殊なところだと思いますが、あまり年齢に関係なく話せる部分はありますね。

若新雄純

全然受け入れられないという感じではないんですね。20代で議員になって、だれか説明会とかしてくれるんですか。議会活動ってこうやってやるんだよとか、派閥はこうなってるんだよみたいな。

中村市議

ありますよ。福井市議会は会派があるので、会派の先輩が1から100まで、議会のことを教えてくれます。

若新雄純

自分の会派に取り込むための引き抜き合戦みたいなのはあるんですか。

中村市議

それもありますね。

若新雄純

年齢が近い人同士が仲良くなったりする? 党の所属うんぬんっていうのもあると思うんですけど、相談する人とか敵対する人とかいるんじゃないですか。

松崎県議

あんまりないかなと思います。僕の場合はまだ入って数カ月なので、誰のところに行くとかは考えていないし、今はいろんな人に話を聞いています。今後はそうなっていくかもしれないけど。

若新雄純

議員にはどんな能力が求められるんですか。

児玉町議

マルチプレーヤー。いろんな種類の知識で行政全般を審議しないといけないじゃないですか。最初に出馬する時は、「議員のおっちゃんって、年に4回議会してこんなにもらえるんだ」と思ってましたけど、全然違いましたね。めっちゃえらい(つらい)。やってみて分かるしんどさがありました。

選挙期間中になっても母親に泣かれました
若新雄純

家族はどう説得したんですか。

山浦県議

説得じゃなくて諦めさせた。おやじとは昔から政治の話をしてたのに、いざ目の前になると「弁護士やっていた方がいいぞ」って止められましたよ(笑)。

児玉町議

私は事後報告で出ますって。親は言っても聞かない子だと思って、あーって言ってました。

中村市議

「本当にやめてくれ」ってお母さんに泣かれました。選挙期間中にもかかわらず。だから私は政治家ってこんなにいいよって、当選してずっと言い続けましたね。でも、いまだに理解してない感じはしますけど。お父さんは変わってるので、娘がちやほやされることに優越感を覚えちゃって、選挙頑張ろうみたいになっちゃってます。

丸石町議

池田町は親族の数が選挙の勝敗に大きく影響するので、親族から嫌われるということは一番やってはいけないことかなって。票とは関係なく、町で生きていくにはやっぱり、ご近所さんと親族の力がなければいけない。一方で、家族への申し訳なさもありますよ。家族はスーパーへ行く時も化粧して行かないといけないとか。何を言われるか分からないっていうので。

松崎県議

家族の苦労は大きいですね。

若新雄純

息子として分かる?

松崎県議

そうっすね。子どもの頃、ほかの子がしてたら許されることでも、自分がすると親に文句がいくというか。「松崎市長の息子さんが悪いことした」ってなる。

買い物かごのすし、モヤシで隠します
山浦県議

(周りの目っていうのは)私はあんまり気にならないですね。でも、例えばコンビニで、グラビアとか立ち読みしてるんじゃないかと思われないために雑誌を手に取らない。

児玉町議

スーパーに行ったら買い物かごの中を見られるので、3割引きのおすしを買うときでも上にモヤシ載っけますよ、結構。3割引きだから、いいじゃんと思ってるんですけど、一応隠します。

若新雄純

でも、普通の人よりはいい意味で鈍感なんじゃないですか。名前が知られて仕事をするというのは、自分がメディアだっていう感覚があるんですよ。どこかで自分というメディアを楽しむみたいな。そこが絶対無理な人は無理なんでしょうね。

児玉町議

よく言われるのが「議員のくせに」。議員はこうでなければならないという固定概念が重たい国なんだなっていうのは、やっていて思いました。でも品位って個人の美しさとか、価値観とかによるので、正解ってないんですよね。そんなものなくなればいいなあ。だからハードルを下げる存在ではありたいとは思っているんですけど、あんまり下げすぎると、ほかの議員さんに怒られてしまう(笑)。

 

⇒福井新聞D刊でよりディープに

 

 
関連記事