自己破産の告示書が貼られたなんえつミートの直売店=10月16日、福井県越前市

 豚コレラの発生により経営する福井県越前市の養豚場で全頭殺処分となった食肉卸、養豚業のなんえつミート(本社越前市)は、10月16日までに事業を停止し福井地裁への自己破産申請の準備に入った。帝国データバンク福井支店によると、昨年9月以降の一連の豚コレラの影響での自己破産は全国で初めてとみられる。

⇒業者の代表、苦悩明かす

 同支店によると、同社は1985年に設立。2013年に、親族が1960年ごろ創業した養豚業を吸収合併した。自社ブランド「越前旨香(うまか)豚」を主力商品に食肉小売店などへ販路を築き、2018年11月期の売上高は約1億2千万円だった。

 同社の養豚場では7月29日に豚コレラの感染が確認され、家畜伝染病予防法に基づき飼育していた豚全309頭を殺処分した。処分により今後の売り上げの見通しが立たなくなったとみられ、10月1日までに事業を停止した。

 福井県は、経営再開に向けた資金調達支援を盛り込んだ本年度一般会計補正予算を編成し、杉本達治知事が8月に専決処分していた。

 福井県内では7月に豚コレラに感染した野生イノシシが初めて見つかった。8月には越前市の別の養豚場で県内2例目となる豚への感染が確認され、飼育していた全688頭を殺処分した。

 農林水産省によると昨年9月以降、福井を含む6県の約60農家の養豚施設で豚コレラが発生。これまでに事業停止や廃業した農家は何軒かあるという。

関連記事