台風19号による大雨で水に漬かった車両基地に並ぶ新幹線=10月13日午前8時6分、長野県長野市赤沼(共同通信社ヘリから)

 台風19号は、あわら温泉(福井県)で10月11~13日の3日間で約3千人の宿泊キャンセルが出るなど福井県内の観光地にも大きな影響を及ぼした。北陸新幹線東京―金沢間の全線再開には少なくとも1~2週間かかる見通しで、越前がにや紅葉のシーズン本番を控えた観光協会関係者らは客足減を懸念、早期復旧を訴えた。

 あわら温泉の宿泊キャンセルはあわら市の旅館やホテル21施設を対象とした調査で、1日当たりのキャンセルは昨年2月の大雪時に匹敵する数字。11月6日に漁が解禁される越前がにシーズンは書き入れ時で、市観光協会は「首都圏からの誘客に力を入れているだけに影響が心配」。福井県坂井市の三国観光協会も、東尋坊の客足減を懸念し「カニの時季に間に合うよう復旧してほしい」と訴えた。

 坂井市の丸岡城は、紅葉の時季を控え、全国的な城や御朱印ブームに乗った関東方面からの誘客も期待されている。観光客の多くはバスかマイカーを利用しているものの、指定管理者の丸岡文化財団は「北陸新幹線運休の影響は少なからずある」とみて、早期復旧を求めた。

 越前町の旅館では、3連休中に予定していた宿泊のキャンセルや延期が多数出た。町観光連盟は、北陸新幹線については「目に見えた影響は現状、出ていない」としているが、越前がに漁の解禁を控え「冬の観光シーズンに影響が出るのでは」と懸念している。

 福井市の一乗谷朝倉氏遺跡では、北陸新幹線を経てJR金沢駅からバスで訪れる首都圏の団体ツアーのキャンセルが重なった。台風19号が関東を縦断した12日前後に3件が取りやめ。さらに運休の影響で今週末に予定していた3件も中止になった。同遺跡保存協会の岸田清会長は「キャンセルはもっと増える可能性があり、ダメージが心配。被害の大きさから、旅行の自粛ムードが広がる恐れもある」と不安を漏らした。

 県内の旅行会社は、北陸新幹線で関東方面へ向かうツアー予約客への対応に追われた。エイチ・アイ・エス広報室によると、福井営業所では近く出発予定のツアーは中止を伝えたが、復旧時期が不透明なため、担当者は「1週間後どうなっているかは分からない」と対応に苦慮していた。JTB福井支店も、乗車予定の顧客への状況説明に努めた。

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