【論説】8日に閉幕した第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」で、福井県が天皇杯(男女総合成績)10位となった。福井国体翌年の大会で、目標を10位台前半としていただけに上々の成績と言える。連日紙面を飾った好成績の報は、県民に誇りや感動を与えたことだろう。選手、指導者らの頑張りをたたえたい。

 開催県は次年度で大きく順位を落とす傾向がある一方、一度落ちると再び上げるのは難しいという見方がある。強いチームには優秀選手が集まりやすいという現実を考えると、うなずける話だ。こういった状況から県スポーツ協会では年明けから早々に10位台前半の目標を掲げた。

 結果は1391点の10位で、9位の北海道にあと6・5点に迫る勢いだった。8位の京都府ともわずか19点差で、8位以内の入賞も視界に入るほどだった。お家芸のボートが天候の影響でレースができず、成年種別が全て中止になるという異例の事態となり、これさえなければ入賞も十分、可能性があった。

 各競技をみると、重量挙げが初の競技別天皇杯を獲得する健闘ぶりだった。自転車は同天皇杯2位で、首位の茨城に3点差と肉薄。ボートは成年種別がなくなり少年種別だけだったが、しっかりと6年連続の同天皇杯を獲得してみせた。

 点数の高い団体競技でも気を吐いた。ホッケーで成年男子が3連覇。昨年覇者のサッカー成年男子も準優勝を手にした。ソフトボール少年女子は初の決勝進出で準優勝に輝いた。

 天皇杯10位に大きな力となったのは、福井国体での強化の遺産だ。県外から招いた選手たちが県スポーツ協会所属として残り、県の制度「スポジョブふくい」で就職し県内で活動。これらの選手たちが数々の栄冠を手にした。さらに刺激を受けた地元選手たちも活躍し、入賞を量産することになった。

 今後、福井国体の遺産の継承に重要なのはジュニア層の育成だ。福井国体後の状況をみると競技によって明暗がみられる。県外選手や指導者の招聘(しょうへい)により活気が出た競技がある一方、あまり変化がないという競技もある。元々、選手層が厚い競技は活躍で刺激を受け人が集まりやすいが、競技人口の少ない競技はこういった傾向が希薄という。

 ジュニア層の充実は、競技によっては難しい課題かもしれない。しかし、多彩な競技が身近にあり参加する機会があることは、県民にとって有益なことだろう。スポーツ関係者の知恵と工夫に期待したい。

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